なぜ、寝台列車みたいな格安ルームを? JR東グループが無人「スマートホテル」を開業した背景新ブランド立ち上げ(2/4 ページ)

» 2023年02月04日 05時00分 公開
[昆清徳ITmedia]

少ないスタッフで運営

 ホテルの事務所には常時2〜3人のスタッフがいるがフロントには立たない。事務所では電話対応などの業務を行っている。これ以外にもスタッフはいるが、隣接するショッピングセンター「エスパルいわき」での業務も兼務しているという。一般的なビジネスホテルと比べると必要となるスタッフ数は少ない。

 基本的なサービスは非対面で提供する。フロントを省人化・無人化し、複数棟における遠隔管理のオペレーションを徹底的に効率化しているのが大きな特徴だ。

 また、客室設備・アメニティーを見直し、ホテルの機能にメリハリをつけることで手ごろな価格を実現した。例えば、客室タイプ「シングル(10.5平米)」は6000円〜(税別、以下同)などとなっている。

 武内氏はスマートホテルを開発した背景について、ホテル業界の人手不足や、コロナ禍で非接触型のサービスが求められていることを挙げた。また、「ホテルのロビーでチェックインのために待ちたくない」といったように、時間を有効活用したいニーズにも対応できる仕組みにもなっている。

利用イメージ(出所:ホテルB4T公式Webサイト)

 「B4T」のBはBedの頭文字で、4Tには「Travel」「Train」「Time」「Trust」の意味を込めている。Travelは旅行をする人のためのベッド、Trainは電車移動の合間に休憩気分で利用できるベッド、Timeは効率的に時間を過ごすためのベッド、Trustは信頼性や安全性があるベッドだ。

 JR東日本グループのホテルには、シティーホテル「メトロポリタンホテルズ」、ビジネスホテル「ホテルメッツ」がある。ここに、新しくスマートホテル「B4T」が加わる。B4Tの価格帯はホテルメッツよりも低めに設定しており、幅広い顧客ニーズに対応していく。

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