最も「うまい・安い・早い」のは？ 吉野家、松屋、すき家、なか卯の口コミ分析で分かること

[サトウナナミ，ITmedia]

　「口コミコム」を運営するmov（東京都渋谷区）は、「口コミコム」の分析機能を用いて牛丼・丼もの4ブランド（吉野家・松屋・すき家・なか卯）に寄せられた8万2113件の口コミを調査し、4ブランドの比較検証を実施した。

吉野家、松屋、すき家、なか卯の口コミ分析

ポジティブ率が高いのは「すき家」、言及回数が多いのは「吉野家」

　同社は、Googleマップや食べログなどに投稿される口コミをAI解析し、店舗評価に必要なQSCA（Q：品質、S：サービス、C：清潔さ、A：雰囲気）に関する口コミを抽出。それらの口コミがポジティブなのかネガティブなのか、文脈から判定してスコアリングした。その結果、「うまい」「安い」「早い」というキーワードで、ポジティブ率が最も高いのは「すき家」、言及回数が最も多いのは「吉野家」だった。

吉野家、詳細コメントのAI分析（mov調べ）

「吉野家」「すき家」はレジへの言及のネガティブ率が高い

「注文」「レジ」「接客」に関するキーワード分析（mov調べ）

　また「注文」「レジ」「接客」に関するキーワードを分析したところ、券売機を使用しない注文方法を採用している「吉野家」「すき家」では「レジ」というキーワードの使用回数が多く、ネガティブ率が高い傾向であることが分かった。さらに、4ブランド共通で外国人店員とのコミュニケーションに不満を持つ消費者が多いこともうかがえる結果となった。

4ブランド全体の新規口コミ投稿件数の推移（mov調べ）

ブランド別の新規口コミ投稿件数の推移（mov調べ）

　牛丼・丼もの4ブランド全体の新規口コミ投稿件数は2017年に急増。20年以降は、伸び率は鈍化しているものの、新規口コミ投稿件数は増加し続けていた。ブランド別での推移では「吉野家」は単調増加しているが、他3ブランドは増減を繰り返す傾向となった。2022年は「吉野家」「松屋」において、1店舗あたり約100件、「すき家」「なか卯」では1店舗あたり約50〜60件の口コミが投稿されている。

　調査は11年1月1日〜22年12月31日の期間に、Googleマップ、Yahoo!マップ、食べログの3サイトで公開されている口コミを抽出して分析、解析した。調査対象は吉野家、松屋、すき家の各60店舗、なか卯の47店舗。