実はこれはコンサル会社に限ったことではなく、全ての企業に起きていることです。各企業のマーケティング部門、人事、法務、経理、営業など、自分たちが手作業でつくっていた資料を、いかにデジタルに転換し自動化・精緻化を実現するか。こうした設計をするスキルが求められています。
つまり、業務プロセスの整理・棚卸、システムへの落とし込み、現場における運用までを推進できるスキルが求められているのです。
これは、コンサル会社のスキルと類似したものが、さまざまな産業で求められていることを意味します。そして、効率化を推進するだけではなく、デジタルに業務をシフトした分、人間の空いた時間をどう次の事業展開に注いでいくかという“高度化”の観点が必須です。スキルのみならず、仕事に臨むスタンス・意識改革にまで影響を及ぼすテーマであり、経営の根幹となるテーマのひとつといえます。
そしてそのスキルは各業種によってさらに細分化され、業界に沿ったリスキリングの設計が必要になります。
小売業のDXを例に整理してみます。
まず小売業で失敗するDXの特徴には、次の図にあるように「システム部門が主導で経営戦略不在のDX」「データの活用を考えずにとりあえず統合するID」といったものが挙げられます。
これらを発生させないことが成功のポイントだとすれば、小売業に携わる人がDXを円滑に進めるにあたり必要なスキルは下記の図で整理したように、「システム導入までの業務スキル」「デジタル導入後の分析&改善提案力」などが挙げられます。
全体像を整理すると次のような図になります。「ビジョン」「戦略スキル」「ITスキル」「小売業の業務スキル」「共創・協力のスタンス・意識」の関係性を整理しています。
この図の小売業の部分を他の産業に置き換えれば同様のことがいえると思います。
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