クレディセゾンは2022年6月、同社によると国内初となるCO2排出量を見える化するクレジットカード「SAISON CARD Digital for becoz」(以下、ビコーズカード)をリリースした。
カードの最大の特徴はもちろん、アプリから自分のCO2排出量を分かるようにしたことだ。突飛な仕掛けだが、日本人に響くのかは疑問も残る。
日本人は環境問題に関心はあるものの行動に移さない人が多いという調査結果がある。ニッセイ基礎研究所の調査によると、「地球環境や社会問題は他人事ではない」という質問に対して「そう思う」と答えた人が約6割に上る一方、「サステナビリティを意識してボランティア活動をしている」といった行動を問う質問では、「そう思う」と答えたのはわずか1割だった。
クレディセゾンの財務経理部長 田中裕明氏は「気候変動に興味はあっても何をしていいか分からないという個人が、実際にアクションを起こしたいと思えるようなカードにしたかった」とビコーズカード誕生の理由を明かす。
消費行動は日々発生するため、日常的に環境対策に取り組みたい層からすると良いサービスといえそうだ。しかし同調査によると、「価格よりもサステナビリティを優先する」と回答している割合は1割に満たないという結果も出ている。CO2排出量の可視化という特徴は、他のクレジットカードが提供する特典を超える魅力になり得るのだろうか?
環境意識や行動につなげたい気持ちはあるものの、実際には価格に左右されるという日本人が大半を占める中、いかにカード会員を増やしていくのかビコーズカードの戦略を聞いた。
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