今回、イオンリテールから初展開された決め手は、日本レロイとノルウェー水産物審議会によるノルウェー大使館での試食を兼ねたプレゼンテーションだった。
イオンリテール食品本部水産商品部の松本金蔵部長は、「実際に食べると国産のタラとは全く違う味わいに感じた」と語る。日本で漁業、魚食が減少しているからこそ、文化を絶やさずに新たなニーズを作ることをもくろんでいる。
スクレイの販売も季節限定ながらも一過性では終わらせない。同様に季節限定として2014年から販売している「ノルウェー産生アトランティックサーモン」では、販売数を8年間で4倍以上まで増やした。その経験を生かしていく。
松本部長は「24年は試食販売の店舗数を拡大し、5年後には秋鮭や寒鰹など季節の魚のように、バレンタインの時期に食べる魚として定着させたい」と展望を抱く。
今後、為替が落ち着いて円安が解消していけば、価格がもう100円ほど安くなり、消費者が求めやすくなると見込む。
家庭での食卓に並ぶ一品として浸透させるべく、スクレイは国産タラの定番である鍋料理ではなく、洋風料理として食べることを提案する。そのためのレシピは、「オテル・ドゥ・ミクニ」オーナーの三國清三シェフが考案し、販売店舗の鮮魚売場でも掲示中だ。
一方で、もっと手軽に調理をしたいと考える消費者向けに、フライパンで炒めるだけでアクアパッツァやムニエル、ソテーといった味を再現できるソースや粉を推奨し、メニュー開発もしていく予定だ。
実際のスクレイはどのような味なのか。ノルウェー大使館で開催された記者発表イベントでは、三國清三シェフによる「ノルウェー産スクレイのロティ〜ヌイユ添え、サフランソース〜」など3品が振る舞われた。
約1000キロの道のりを回遊するスクレイは独特の歯ごたえで、加熱した際にほろほろとほどける食感とスッキリした味わい。洋風ソースと相性が良かった。普段の家庭料理では「蒸したり焼いたり、サラダにして食べてもおいしく味わえる」と勧める。
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