スラムダンクの“聖地”は今――インバウンド殺到も、鎌倉市が素直に喜べないワケ現地を取材(2/3 ページ)

» 2023年02月25日 06時00分 公開
[岡安太志ITmedia]

撮影している人に話を聞いた

 ここにはどんな人が来ているのだろうか。写真撮影をしている7〜8人のグループに取材した。話を聞くと、このグループの台湾人の一人は20年ぶりに日本に来たという。日本滞在中は浅草、鎌倉、江ノ島、八景島などを巡ったそうだ。

 彼は明日の便で帰国するのだが、「最後にどうしてもここに訪れたかった」と話す。聞くと、やはりSLAM DUNKの大ファンだった。

 続いて米国から来たという男性2人組に話を聞いた。意外にも2人がここに来た理由は聖地巡礼ではなかった。作品自体もあまり知らないようだ。作品を知らない人にとっても、ここはフォトジェニックなスポットということだろう。ちなみに現地に行った時、写真を撮影している人の中で、欧米からの観光客と思われるのはこの2人組だけだった。

注意喚起の看板その1
注意喚起の看板その2

 観光客が道路や線路に出ないよう、注意喚起をしている警備員にも話を聞いた。

「鎌倉市から委託を受けて、土日とゴールデンウィークにこの辺りの警備を行っています。映画の効果もあってか最近は急に人が増えたと思います。特に、韓国、台湾からの旅行客が多いですね。私はコロナの前からここの警備を担当していましたが、最盛期と比べると観光客の数は3〜4割くらいです。」

 実際に現地は多くの人だかりで、今にも歩道から出そうな観光客が多く見られた。踏切の看板や警備員がもつプラカードには、「道路に出ないように」という内容が多言語で書かれていた。

警備員が持つプラカード

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