「終電間近にラーメンが売れる」 冷凍自販機の集合店はどんな使われ方をしているのか：空きスペースの活用（3/4 ページ）

[大村果歩，ITmedia]

企業と連携　阿佐ヶ谷高架下の「GORIO MALL」

　SOBOがプロデュースを担当した事例もある。22年10月、飲食店やコインランドリーなど幅広い事業を展開するキング（東京都品川区）が、阿佐ヶ谷の高架下にある商業施設「アルーク阿佐ヶ谷」内に24時間営業の冷凍自販機モール「GORIO MALL」を開業。キングが自販機のオーナーで、SOBOは商品の提案や企画などを担当した。

GORIO MALL

　「GORIO MALLは阿佐ヶ谷〜高円寺の高架下にあります。高架下は少し駅から離れますが、雨にぬれずに歩くことができるため、24時間人通りがあります。また、住宅街ですが周囲にスーパーや飲食店が少ないことが多く、『わざわざ数分かけてコンビニに行きたくない』というときの利用も多いと考えました」（益川社長）

よく売れるのは牛タンだという

　GORIO MALLでは、冷凍自販機を10台設置し、約50商品をそろえる。ギョーザやラーメンなどの定番商品から、有名シェフが作るケーキ、石垣島のアイス、うなぎ、佐賀のお米を使ったお弁当など幅広いジャンルを用意した。また、「世界の機内食」を販売する変わり種の自販機も用意し、話題性を喚起する。

パフェ缶など変わり種も

　「GORIO MALLの周辺は英会話教室や体操スクールなどの習い事にかかわる施設、学童保育などの区の施設、高校や専門学校が多く存在します。そこで、その場で食べやすいアイスクリームなどを拡充。また、習い事の迎えに来た父母の方に向けて、レンジで温めれば帰宅後すぐに食べれるもの、食卓のおかずになるものなども用意しています」（益川社長）

品ぞろえ

　利用者は近隣住民が多い。夕方の売れ行きが良く、夕食時の前にギョーザやキンパなど、温めてすぐに食べられる、食卓でつまめる商品が良く売れる。また、深夜帯の利用も多いという。

　「終電前後、夜中の12時前後も利用が多いんです。飲んで帰った後、仕事帰りに単身者の方が、レンジで温めてすぐに食べられるカレーや焼肉弁当などを購入しているようです。夕方はラーメンよりもギョーザが、深夜帯はギョーザよりもラーメンが良く売れますね」（益川社長）

　GORIO MALLの自販機は、1台当たりの売り上げが都内の独立した自販機の平均よりも高い。月間で1500人程度利用しており、1人当たりの単価は1000円弱程度だ。

深夜はラーメンが良く売れる