ChatGPT、マイクロソフトのAI検索やEdgeのひな型作成機能──これらに共通するのはOpenAIのGPTという技術だ。
GPTの詳細な仕組みについてはここでは書かないが、極めて多く分岐する推論アルゴリズムを通し、より確からしい文章を作り上げるため、まるで人間が作ったかのような流暢(りゅうちょう)な文章が生成される。
ただし、GPTだけではないが、AIに論理性は求めることはできない。
AIは単語をデータ列として扱っているだけで、それがどのような意味を持ち、単語の組み合わせによって、読み手にどのような影響を与えるかなどを認知していないからだ。AIは確かである可能性が高い選択肢を選び、正しい構造で文章を組み立ててくれるが、論理的な整合性について矛盾があっても気にしないことが多い。
さらにChatGPTをはじめとする新しい世代のAIは、会話の文脈を理解して答える、いわば対話するための推論モデルが導入されているため、前提とする会話を引き継ぐ形で会話を続けることができる。
しかし、これも会話の連続性をAIが追跡できなくなると途切れ、話題が異なる方向に進んだり、前提となる条件が外れて少し前の対話とよく似た情報を答えたりすることがある。
あくまでも推論によって多数の分岐点で、より可能性の高い選択肢を選んでいるだけであり、AIはその矛盾(人間が感じるような矛盾から来る気持ち悪さ、違和感)に気付くことはない。
AIの答えには論理的な整合性がみられない場合が多く、誤った結論を迷いなく自信を持って答えているように人間が感じるのは必然と言えるだろう。
それではAIはビジネスで使い物にならないのか、といえばそうではない。こうした特性を分かった上で使いこなすのであれば、ナレッジワーカーの業務の省力化に十分な側面もある。
記事の後半では、以下の4つの切り口からAIがビジネスに役立つシーンを紹介し、AIの特性について解説する。
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