通常サイフォン式は、下部のフラスコでお湯を沸騰させ、上のロートでコーヒー粉と攪拌(かくはん)させ、最後に下のフラスコに落とす。
Siphonystaでは、この位置関係が逆になっている。シリンダーユニットの下部にコーヒー粉を、上部に水をセット。あたためられたお湯は下に落ちて攪拌される。最後に抽出されたコーヒーがポンプの減圧によって、噴水のように上部に移動する。
「下から上にコーヒーを噴き上げたら面白いのでは? という思い付きから始まりました。半ば無理だと思っていたのですが、開発のスタッフが『できるよ』と背中を押してくれ、非常に難しい構造設計の中、想像以上のものに仕上げてくれました。コーヒーを淹れる様子を見せることで、買われた人が驚くようなエンタメ性を演出できます」(和泉さん)
上下を逆にする構造は電気を使用するコーヒーメーカーだからこそ実現できた。従来のサイフォン式は下から炎(ヒーター)で加熱するため、水を入れるフラスコを上にするわけにはいかない。
さらにコーヒーメーカーだからこそ可能だったのが、注湯温度を2段階に調節する「Dual Temp」モードだ。Siphonystaでは味(酸味〜苦味)を3段階、濃さ(薄い〜濃い)を3段階、計9パターンに調節できるが、もう種類、おすすめメニューともいえるDual Tempモードを搭載した。
Dual Tempでは、注湯の後半で出てきやすい雑味を、抽出後半で温度を下げることで抑制する。こうした細かな温度制御で、しっかりと味を出しつつクリアな味を実現しようとするのは、昨今の高級コーヒーメーカーのトレンドとなっている。
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