混雑緩和を目的に価格を複数設定する場合、いくらに設定すべきなのでしょうか。ポイントは「顧客が安いと思えるかどうか」です。
次の表をご覧ください。この表は、ある商品価格に対する消費者の許容度を表しています。現在の商品価格(1490円)に対して、許容ユーザーは78%存在しています。これを100円安い1390円に値引きしても、許容ユーザー比率は変わりません。すなわち、せっかく値下げしても顧客数は増えず、損をするだけになってしまいます。
さらに100円引いた1290円でも変化はなく、1190円まで値下げして初めて許容ユーザー比率が82%と、4%の増加に転じます。このように顧客にとって安さに価値を感じるポイントを見極め、顧客数が伸びうる価格に設定することが重要です。
値下げ価格が顧客にとって「安い」と思えなければ行動の分散につながらず、結果として売上毀損(きそん)にしかなりません。許容ユーザー比率を調べるにはツールでのシミュレーションや分析が必須ですが、価格戦略を成功させるためには不可欠といえるでしょう。
今回のチケット価格の場合、平日料金は最大で2000円もの値下げが実施され、「画期的」と好意的な反応も見受けられます。顧客にとって十分な値下げアピールになるかどうかが、その後の効果を左右するといえるでしょう。
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