大手回転寿司チェーンに端を発した利用客の迷惑行為は、うどんチェーンの他さまざまな飲食企業でも明るみに出ている。ネット上では、過去の迷惑行為の動画が複数掘り起こされ、回転寿司に限らず飲食業界全体の問題へと発展している。飲食チェーンを脅かす迷惑行為はなぜ続発するのか。企業はどのような対策が取れるのか。
「安心して食事を楽しめる環境を脅かす行為であると重く受け止めている」
2月1日、公式Webサイトでコメントを発表したのは、九州を中心に展開する人気うどんチェーン「資(すけ)さんうどん」(北九州市)。客席に置かれた天かすを、利用客が共用のスプーンで口に運ぶ様子を映した動画がSNSで拡散していた。
同社は翌2日、北九州市内にある該当店舗の消毒を1日までに完了し、警察署に被害届を提出し受理されたと発表した。
これに先立ち、利用客が湯呑をなめたり、商品の寿司に唾液をつけたりする行為が確認されたスシローでも同1日、被害届を警察に提出済みであることを公表。迷惑行為を行った当事者と保護者から謝罪を受けたが、「刑事、民事の両面から厳正に対処する」とのコメントを発表した。はま寿司でもレーン上の寿司にわさびをのせる行為が発覚し、警察署に被害届を提出したと報じられている。
回転寿司チェーンに端を発した迷惑行為は他の飲食業態にも波及し、法的責任追及の可能性さえ取りざたされている。飲食チェーンを脅かす迷惑行為はなぜ、続発するのか。
「ここ10年でスマートフォンやTwitterなどのツールが発達し、迷惑行為が可視化されたことが背景にあるのではないか」
こう話すのは『迷惑行為はなぜなくならないのか?「迷惑学」から見た日本社会』(光文社新書)などの著書がある金城学院大学の北折充隆教授(社会心理学)だ。
北折教授によれば、迷惑行為自体は今に始まったことではなく、かつてからあるといい「お調子者のような若者が、内輪で受けを狙う感覚でSNSに投稿したのではないか」と話す。
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