ウイルスが添付されたメールの受信時間にも特徴がありました。時間をグラフにまとめたところ、ビジネスの稼働時間に合わせてウイルスメールの件数も上昇することが分かります。その中でも正午から午後2時がウイルスメールが最も多い“ホットタイム”です。
ランチタイムや業務終了後、金曜日の夕方など、ちょっとリラックスして仕事以外の興味深いメールをチェックしたらウイルスに感染したというケースもあり得そうです。攻撃者は、ビジネスパーソンの稼働時間帯を見計らって送信時間を設定していると思われます。
時間帯の分析から推定されることは、ウイルスメールの攻撃者は日本と同じタイムゾーンにいる、もしくは明らかに日本企業を狙っているといえます。タイムゾーンから推察されるのは、ウイルス・スパムの送信元がアジア圏の近隣諸国からであることです。
とはいえ、近年のウイルスメールは、以前のように一目で分かる「変な日本語」が減りつつあり、自然な日本語になってきています。ChatGPTなど、生成AIの技術が発達したことで、今後この傾向が加速することが予想されます。次回の連載では、ChatGPTを使うとウイルスメールがどのようになるか、具体的に検証したいと思います。
サイバー攻撃の実態 半数近くが被害なしも、対策不足が浮き彫りに
「問題は出ていない」 パスワード付きZipを“受信拒否”したfreee、決断の理由
「従業員を監視する」だけでいいのか シャドーIT問題に向き合う仕組み
「サイバー攻撃対策」が、政府・企業の最重要課題になり得るワケ
LINEで業務連絡、私用PCで仕事──悪気ない「シャドーIT」をどう防ぐか?Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR注目記事ランキング