日本の従業員エンゲージメントが世界的に見て低水準だということは、たびたび指摘される。それでは、年齢別に見ると最も低水準なのは、何歳代なのだろうか? アジャイルHR(東京都港区)は、インテージ(東京都千代田区)と共同開発した「A&Iエンゲージメント標準調査」を用いて、国内の従業員エンゲージメントを分析した。年代別に見ると、最も低かったのは30代だった。
調査では、従業員エンゲージメントの定義を「ワークエンゲージメント+組織コミットメント」とした。ワークエンゲージメントとは、仕事にやりがいを感じたり、夢中になったりするポジティブな心理状態のこと。これが高い人ほど仕事で新しい挑戦をし、成長していると感じていた。組織コミットメントとは、会社への帰属意識や貢献意欲のことであり、高い人ほど今の会社で働き続けたいと思っていた。
ワークエンゲージメントに影響を及ぼす要因を調査したところ、役割の明確さや仕事の意義などが、スコアに影響することが分かった。自分の仕事の役割が明確であり、やりがいを認められる際に、ワークエンゲージメントが高くなる。一方でスコアが低く、悪影響を及ぼしているのは、公正な人事評価やキャリア形成、上司のリーダーシップといった項目だった。職場や上司からのフィードバックが十分でなかったり、コミュニケーションが一方通行であったりすると、ワークエンゲージメントは低くなった。
年代別に見ると、従業員エンゲージメントが最も低かったのは30代だった。20代は上司や先輩からケアされ、研修の機会なども比較的多いが、30代になると一人前とみなされて孤立した状況になるためと同社は分析している。
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