ということで、短い試乗ではあったが、とても大きなポテンシャルを感じさせられた。そして、たぶんその先には電動化戦略がつながっていると思う。
今後、特にプレミアム系のBEV専用シャシーはロングホイールベース化が求められると思われる。それはつまり航続距離を伸ばそうと思えば、バッテリーのためのスペースを広げなければならないからだ。
ロングホイールベースでかつ重量が重いという特性を考えれば、次の争点は後輪操舵に行き着くことは容易に想像が付く。最小回転半径を小さく保ち、かつ重量級のバッテリーを抱えて旋回姿勢を破綻させないためにはリヤタイヤに舵角を与えるところに行き着くのだ。
レクサスRZのバイワイヤーステアリングと、このDRSは、来るべきBEV専用シャシーの高性能化競争で強力な武器になるはずだ。トヨタはこの技術を20年以上かけて自然なフィールに仕立てたわけで、このアドバンテージはかなり大きなものになると思われる。
1965年神奈川県生まれ。1988年企画室ネコ(現ネコ・パブリッシング)入社。取次営業、自動車雑誌(カー・マガジン、オートメンテナンス、オートカー・ジャパン)の編集、イベント事業などを担当。2006年に退社後スパイス コミュニケーションズでビジネスニュースサイト「PRONWEB Watch」編集長に就任。2008年に退社。
以後、編集プロダクション、グラニテを設立し、クルマのメカニズムと開発思想や社会情勢の結びつきに着目して執筆活動を行う他、YouTubeチャンネル「全部クルマのハナシ」を運営。コメント欄やSNSなどで見かけた気に入った質問には、noteで回答も行っている。
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