同社の社員が「実は男子も肌を隠したいと考えている」と気付かされた出来事がある。過去に、墨田区にある中学校の生徒と、スクール水着を共同で開発するプロジェクトを実施したのだが、ある男子生徒が長袖とフルレングスのパンツを提案した。足首まで隠れるようなデザインだったという。「やせすぎている」「太っている」「腹筋が割れていない」といったコンプレックスを抱えていたが、我慢するのが当然だと考え、自分の意見を表明できていなかったのだ。
フットマークが実施した調査によると、ラッシュガードを着用する理由の1位は「紫外線が気になるから」で、2位は「肌を露出したくないから」だった。
こうした経緯を見ていくと、性的に悩みを抱えている生徒への対応という側面だけではなく、紫外線対策の意識の高まりや、肌を露出することへの嫌悪感が高まっていったことも、ジェンダーレス水着が誕生した背景にあることが分かる。
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