ジャニーズ事務所創業者である故ジャニー喜多川氏(2019年没)による未成年者への性加害疑惑に、大きな関心が集まっている。
5月14日、現事務所社長である藤島ジュリー景子氏は公式サイト上で謝罪動画を公開し、各所からの質問に対して回答した文書を掲載した。圧倒的な人気を誇るタレントを数多く輩出し、芸能界で大きな影響力を持つ老舗事務所のスキャンダルとして、連日報道が過熱している。
芸能ニュースとしての報道は専門のメディアにお任せするとして、この記事では筆者の専門分野である企業の炎上トラブル対応とレピュテーション(評判)リスク管理の観点から今回の不祥事対応や危機管理広報体制、そして事務所の組織運営に問題はなかったのか考察していきたい。
ジュリー氏による謝罪動画と、各所からの質問回答文書は、ジャニーズ事務所の公式サイトに掲載されている。声明の概要は次の通りだ。
この声明発表に対して「従前は決して表に出てこなかったジャニーズ事務所経営陣が、顔出しで謝罪動画を公開すること自体が前代未聞だ」などの声も聞かれた。
だが、危機管理広報・炎上トラブル対応の専門家としては「対応姿勢も中身のなさも、お話にならないレベルの酷さ」としか言いようのないものであった。具体的に何が問題なのか、5つのポイントに分けて解説していきたい。
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