暑さ対策グッズ「襟エアーファン」が好調 何がウケているのか：2カ月で1万5000台売れた（4/4 ページ）

[小林香織，ITmedia]

来年は「直接的な冷たさ」の導入を検討

　ライフオンプロダクツでは、上述した商品以外にも夏向けのサーキュレーターやハンディファンを多くとりそろえる。23年の夏向け新製品としては、アウトドアでも活躍する「防水防塵 充電式クリップサーキュレーター」（6578円）や送風・温風でオールシーズン使える「HOT&COOLサーキュレーター リモコン付」（1万4080円）など、利便性に配慮した新製品を複数発売している。

ホコリ・砂・雨などの侵入を防ぐ仕様で、アウトドアでも使える「防水防塵 充電式クリップサーキュレーター」

　ヒット商品は翌年に改良版を発売するケースが多く、初動の売れ行きが好調な襟エアーファンも、すでに改良を進めているという。

　「商品設計はこれからですが、ひんやりとしたプレートなど、より直接的に冷たさを感じられる技術を取り入れられたらと。それでいて小型・軽量を実現できればいいですね」

　これからますます暑くなることを踏まえると、襟エアーファンがさらなるヒットにつながることが期待できる。一方で課題はというと、「分かりやすいアイデンティティーがないこと」だという。

　「襟エアーファンに限らず、当社のすべての製品は『生活になじむ、かつ便利である』ことを意識して設計・デザインしています。インテリアを邪魔しないような雰囲気は目指しているカラーなのですが、一方で『当社らしさが分かりづらい』という課題感は否めません。商品は知っていても、ライフオンプロダクツ社を知らない人が多いのも現状です。大事にしたい世界観は守りつつ、企業としてのアイデンティティーを育てていけたらと」

商品やSNSでの見せ方は「世界観の統一」を大事にしているという（ライフオンプロダクツの公式Instagramより）

　「襟エアーファン」をはじめ、夏向けのサーキュレーターなどは「PRISMATE（プリズメイト）」というブランド名で展開しているが、西岡氏の言う通り、こういったブランド名や企業名はあまり浸透していない印象だ。

　企業の知名度が上がり、ブランド自体にファンが付けば、より販売増につながるのかもしれない。

写真提供：ライフオンプロダクツ