店の前にトラクター!? 個性的な「びっくりドンキー」が全国各地に存在する理由創業時の理念(3/4 ページ)

» 2023年05月27日 05時00分 公開
[昆清徳ITmedia]

なぜ画像を投稿しているのか

 なぜ、びっくりドンキーの公式Twitterではこうした投稿をしているのか。

 ネット上で店舗外観や内装が話題になり、それがきっかけで来店する人が一定数いることを認識していたという。広報担当者は「個性的な店づくりを『びっくりドンキーらしさ』の一つとして楽しんでくださっていると受け取っておりました。このコーナーを通じて、普段は身近なエリアの店舗しか触れることのないお客さまも、全国各地の特徴ある店に触れ、こんなお店もあるんだと『びっくり』とワクワク感を感じてもらいたいと思い、『#びっくりドンキーずかん』をシリーズ投稿しております」と説明する。

 他にはないデザインなので、SNSとの相性は良いのかもしれない。

高さ9メートルの巨木やモアイ風のドンキー君がある成田店
「中庭がある西洋風レストラン」がコンセプトの平野店
「中庭がある西洋風レストラン」がコンセプトの平野店の内装

創業時の理念

 店舗外観や内装を共通のフォーマットとすることで出店時のコストを抑える戦略もあるはずだが、なぜびっくりドンキーではこうした個性的な店づくりをしているのか。

 びっくりドンキーの原点となったのが、1968年に盛岡市に誕生したハンバーガーとサラダの店「べる」だ。13坪という小さなお店だったが、店内には「小さな店であることを恥じることはないよ。その小さなあなたの店に人の心の美しさを一杯に満たそうよ」という言葉を掲げていた(出所:公式Webサイト)。広報担当者によると、全ての店内に同じ内容を記した掲示物があるという。

1968年に開店した「べる」は、1973年に閉店した。1972年に開店した「ベル」が、現在営業する店の中で最も歴史のある店だ。
ベルの内装

 1972年に開店した別の店舗では、「手づくりの温かさを表現したい」とスタッフが総出で内装を手掛けた。これが、現在の「独創的な店づくり」につながっている。

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