テレビ東京と日本経済新聞社がタッグを組んだニュースバラエティー番組『日経テレ東大学』の公式YouTubeチャンネルは5月31日、アーカイブ動画を全て削除した。同チャンネルは3月末で動画投稿を終了していた。現在、チャンネル名は「test」となっている。
日経テレ東大学では「本格的な経済を、もっと楽しく学ぶ」をコンセプトに、キャリアや金融などのテーマについて、専門家を交えて分かりやすく解説・議論する動画コンテンツを2021年3月から配信。匿名掲示板「2ちゃんねる」開設者のひろゆきこと西村博之氏や、経済学者で米イェール大の成田悠輔助教、菅義偉前首相、竹中平蔵氏など著名な出演者の影響もあり、23年2月にYouTubeのチャンネル登録者数は100万人を突破していた。
ビジネスパーソンを中心に幅広い層の視聴者から支持を集め、番組内の人気コンテンツ『Re:Hack』『なんで会社辞めたんですか?』は書籍化されるなどマネタイズにも成功していたものの、テレビ東京は「日経との契約満了」を理由に、3月末での終了を発表した。
ただ、文春オンラインは2月10日と同月15日の配信記事で、番組内容に加え、訴訟案件を抱えるひろゆき氏や元日経新聞エース記者の後藤達也氏などの出演に、日経上層部がコンプライアンス面で懸念を示し、番組を終了するよう圧力をかけたと報道。筆頭株主であることや、テレ東の歴代社長を日経出身者が務めていることから「力関係で日経の意向に逆らえなかったのではないか」と見る声も少なくない。
日経テレ東大学の終了は、テレ東の著名プロデューサー退職の一因にもなった。企画・制作統括を担当した高橋弘樹プロデューサーは2月末で同社を退職。「ABEMA」に転職した。
高橋Pは自身が手掛けるYouTubeチャンネル「ReHacQ」の動画で「(公式から)何もお知らせもなく閉じるチャンネルは前代未聞。あっけなさすぎて笑ってしまった」との受け止めを示している。
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