“家族口座”ひも付け13万件、デジ庁が公表 本人名義で再登録呼び掛け口座誤登録は748件(2/2 ページ)

» 2023年06月08日 10時03分 公開
[ITmedia]
前のページへ 1|2       

ポイント二重取りの可能性も 返還要請は「現実的ではない」

 政府は現在、マイナカードに口座情報をひも付けた場合、7500円相当のポイントを付与する事業を行っている。だが、今回の調査結果を受け、再登録した場合、ポイント付与もリセットされ、再び付与の対象になる可能性があり、その場合、ポイントを二重取りできることになる。

photo 7500円相当のポイント付与(出典:ヤフー公式Webサイト)

 これに対しデジタル庁の担当者は「ポイントの返還要請は現実的ではない」と述べ、対象者にポイントの返還を求めない考えを明らかにした。

口座誤登録は全体の0.001% システム改修へ

 総点検は、全国の自治体で他人の口座情報がひも付いていることが相次いで判明したことを背景に実施した。全5400万件を対象に、同一口座が複数人に登録されているものを機械的に抽出し、絞り込んだところ、誤登録の可能性が高いものが全体の0.001%に当たる748件あった。

 口座情報の登録は専用アプリ上で個人で行うことが多い。一方で、高齢者など自身での登録が困難なケースも想定されることから、デジタル庁は各自治体の役所に「マイナポイント支援窓口」を開設し、登録業務を提供していた。今回問題になった誤登録は役所内で発生。窓口でのシステムのログアウト忘れにより、口座が別人にひも付けられる事態が発生した。

 誤登録に対し、同庁は「マイナカードに記載の漢字氏名と、金融機関のキャッシュカードなどに記載のカナ氏名を照合ができないことが根本課題」と説明。法改正でマイナカードにフリガナを公証することが決まったため、システム改修を併せて行い、自動照合を実現する方針を示した。

photo

 年内をめどに、漢字氏名とカナ氏名を照合可能な検知モデルを開発し、検知モデルの精度を確認した上で、登録データへの適用を検討する。

 これに加え、短期的な対処として、口座登録開始時だけではなく、口座登録完了時にもマイナンバーカードをあらためて読み込むようにし、ログアウト忘れによる誤登録を防止するシステム改修を6月中に行うことも明らかにしている。

前のページへ 1|2       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.