一風堂と人類みな麺類のコラボのような同業者コラボを、期間限定の企画として頻繁に行っているのが、グロービート・ジャパン(東京都杉並区)が展開している「らあめん花月嵐」だ。
らあめん花月嵐は1992年、東京・高円寺で「ラーメン専門店 花月」として創業。現在の主力メニュー「嵐げんこつらあめん」のルーツとなる、「ニンニクとんこつラーメン」の発売により、人気を博す。2002年に現在のメインブランドであるらーめん花月嵐を開発した。
現在、国内192店、海外25店(23年5月10日現在)を展開するチェーンに発展した。
同社では、初期よりFC(フランチャイズ)で全国に店舗を広げる戦略を取っている。地方では東京で流行っているラーメンのニーズが高いことに気付き、ラーメン二郎系のラーメンを開発して期間限定で出すなど、チェーンの強みを生かしたラーメントレンドの発信を行うようになった。
そうした方針の一環で、全国各地の有名ラーメン店とコラボして、わざわざその店に遠くから食べに行かなくても、らあめん花月嵐で有名店が監修したラーメンが食べられるように、期間限定ラーメンを販売するようになった。
期間限定ラーメンは、常時2〜3品が売られており、ほぼ2カ月のサイクルで入れ替わる。直近では、23年4月から、群馬豚骨ラーメン「だるま大使」とコラボして、約2カ月間「群馬豚骨ラーメン だるま大使 〜想いと具材を全部のせ〜」という商品を販売している(現在はほぼ終売したとみられる)。
22年には、東京都世田谷区の「せたが屋」、神奈川県湯河原町の「飯田商店」、青森市の「長尾中華そば」、山形県鶴岡市の「琴平荘」といった繁盛店とのコラボ企画を実現させている。大変な交渉力だ。
らーめん花月嵐のコラボラーメンは、あくまでコラボ店の味の再現を目指すものだ。または、コラボ店の店主の個性が生かされたラーメンであり、嵐げんこつらあめんとは全く毛色が違うラーメンが登場することになる。その意味で、一風堂と人類みな麺類のような両店の味が融合させた上での変容を目指すラーメンの追求とは方向性が異なる。
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