ラーメン店同士、ハンバーガー店同士といった、同業者のコラボで双方の長所を引き出し合い、最強の店をつくろうという動きが出てきた。
博多豚骨ラーメンの「一風堂」としょうゆラーメンの「人類みな麺類」という分野の違ったラーメンチェーン同士がコラボ。互いの知恵を持ち寄って新たに開発したラーメンを、期間限定で提供する異色のイベントが行われている。
共同開発のラーメンは両ブランドのハイブリッドということで、「人類みな一風堂」と名付けられた。6月15〜21日に、一風堂の池袋店(東京都豊島区)と梅田店(大阪市)、人類みな麺類の本店(大阪市)と東京本店(東京都渋谷区)で提供される。
これら4店では、期間中は当該コラボラーメンのみが提供され、通常のメニューは提供されない。
人類みな一風堂の企画が行われるようになった経緯は、人類みな麺類を経営するUNCHI(大阪市)の松村貴大社長によるYouTubeチャンネル「UNCHI社長 松村貴大のラーメンチャンネル」にアップされている動画、「【伝説のコラボ】超有名ラーメン店に勝手に行き勝手にコラボしてみた!」に詳しい。
動画では、大阪市内にある一風堂の店舗を訪れた松村氏がラーメンを注文。提供されたラーメンに、持参した人類みな麺類の特大チャーシューを入れて食べる松村氏。すると、偶然居合わせた一風堂創業者で、力の源ホールディングスの河原成美会長が「そのラーメン、旨そうだ」と、一緒にコラボラーメンをつくる提案を持ちかけるというストーリーになっている。
力の源ホールディングス・広報によると、河原氏が以前より人類みな麺類のラーメンを気に入っており、松村氏と一緒にコラボして斬新なラーメンをつくってみたいと希望していたとのことだ。
河原氏と松村氏が会合を重ね、試作を繰り返してようやく人類みな一風堂が完成した。
スープは、一風堂のなめらかな豚骨と、人類みな麺類のしょうゆベースのかえしを合わせて、豚骨しょうゆのラーメンに仕上げた。
豚骨しょうゆというと、横浜発祥の家系ラーメンが知られるが、人類みな一風堂のスープはかなりしょっぱい。富山ブラックを彷彿(ほうふつ)させ、ガツンとインパクトがある。
なお、人類みな一風堂には、1口サイズのライスが無料サービスで付いてくる。人類みな一風堂のスープは、白いご飯が合うようになっており、ナイスなアイデアと思わせる。
チャーシューは2種類。一つは人類みな麺類で使っている、インパクト抜群の厚切りのチャーシュー。もう一つは、低温調理したピンク色の薄切りチャーシューとなっている。
分厚いメンマは人類みな麺類で使用するものだ。
全体の味にマッチした中太の麺は、一風堂で開発した。麺に関しては太さの違う麺を同時に出す案もあったが、最終的にはオリジナルの中太麺で着地した。
このように、一風堂と人類みな麺類のハイブリッドでありながら、どちらのラーメンにも似ていない新たなラーメンをつくり出したことに、コラボ企画の意義がある。
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