NTTドコモが6月20日に発表した、新たな小容量プラン「irumo」(イルモ)。自社ブランドがなかった小容量プランを新設した一方、傘下のNTTレゾナントが提供する「OCNモバイルONE」の新規受け付けは終了する。イルモは各種割引を適用すると、3GBプランが月額880円になるが、適用しない場合は2167円。OCNモバイルONE(3GBプラン)は月額990円で、実質的な値上げになることから、ネットでは「改悪」という声も出ている。
OCNモバイルONEは、ドコモと提携した事業者の名義で低価格・小容量のプランを提供する「エコノミーMVNO」として、提供されているプラン。当初はNTTコミュニケーションズが手掛けていたが、NTTレゾナントに移管(2022年4月発表)。その後、ドコモがNTTレゾナントを吸収合併(5月25日発表)。7月1日付で完全子会社化し、OCNのユーザーはドコモユーザーに切り替わる。
OCNモバイルONEは、低料金で小容量のプランを求めるユーザーにとって、評判のいいプランの一つだ。MM総研が発表した「国内MVNO市場調査」によると、3月末時点でのMVNO国内シェア1位はインターネットイニシアティブ(IIJ)。NTTレゾナントはシェア2位という。
NTTレゾナントの吸収合併と同時にイルモの提供を始めることから、20日の会見では、記者から「小容量プランを出すために吸収合併するのか」という質問が出た。
ドコモの大橋一登料金企画室長は「新プランのための子会社化ではない」とし、そうした見方を否定。「営業体制の強化、サービス開発力など経営資源の構造改革、経営の意思決定の迅速化のための統合」と前置きした上で「(NTTレゾナントは)現時点で低廉なプランを提供しており、現在の顧客基盤を生かしながら新たなサービス提供していく。彼ら(NTTレゾナント)はgooなどデジタルのコンシューマー向けサービスも提供している。ノウハウや人材を生かし、グループ一丸になることに意味がある」と、子会社化の狙いを明かした。
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