名前を付けることにして、初めて発売したのが「ヨット」。その後、ものすごい“追い風”でヨットが売り上げを伸ばしたのか(は分かりませんが)、「リコーダー」や「マラカス」、はたまた「クツ」「サツマイモ」、さらには「トビバコ」「ケンダマ」などが登場。現在は17種類の名前が個人向けのインクカートリッジやインクボトルに付いています(一部、付いていないものもあり)。
それぞれの名前は脈絡のないものに感じますが、命名するときに決まりなどはあるのでしょうか。セイコーエプソンに問い合わせたところ「特にレギュレーションはない」とのこと。一方で、誰にでも分かりやすい名前にすることや、会社・商品のイメージに合わないものは使用しないようにしているそうです。
また型番についても、目印の名前から連想しやすい、また色とひも付いたアルファベットを使うことを意識しているとのこと。例えば、商品名に「リコーダー」とある黒色で増量タイプのインクカートリッジであれば「RDH-BK-L」。「ケンダマ・タケトンボ」とある5色パックのインクボトルは「KETA-5CL」となっています。名前を付けるようになって以降、高齢の利用者を中心に「覚えやすい」「親しみやすい」と好評を博しているようです。
年賀状を出すことが減り、家庭向けの需要が落ちているようにも思えるプリンタ市場ですが、セイコーエプソンの決算資料を見ると、SOHOや家庭向け大容量インクタンクモデルの販売台数は21年度→22年度で80万台の成長を見せています。「そろそろクツが欲しいな」「サツマイモ買っておいて」――そんな会話が聞こえたら、実はインクの話かもしれません。
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