開発当初の試作品には、かりんとうのようなガリガリ食感のドーナツや、外は硬く中が柔らかいドーナツなどがあったという。
なぜ現在のポン・デ・リングのような食感に決めたのか。同社によると、開発当時、もちもちした食感のスイーツがトレンドになりそうなことが一因だったという。また、日本人になじみのあるもちのような食感のドーナツを開発すれば、日本オリジナルの柱となる商品がつくれるのではないかと考えたことが決め手になったのだとか。
もちもち食感のドーナツを開発するにあたり参考にしたのはブラジルのチーズパン「ポン・デ・ケージョ」だ。
開発にあたっては、もちもち食感を実現するドーナツ生地の開発に苦労した。パンは焼いて調理するが、ドーナツは揚げるという違いがあるからだ。
広報担当者によると、原材料に加工デンプンを使用し、配合を調整することで滑らかな口当たりともちもちとした食感のドーナツ生地が出来上がったという。
なぜ8つの玉が連なる形になったのか。当初は通常のリング型のドーナツの形を考えていたという。ただ、油で揚げると一部だけが膨らんでしまい、もちもち食感が損なわれるといった問題があった。形がきれいになるようにスティック状なども試したが、最終的に現在の形に行きついた。
これらの試行錯誤をしたのは、全国のミスドで同じ品質の商品を提供するためだ。
名前については、ポン・デ・ケージョをヒントとしたことや、「リング」という商品がいくつか存在したことからポン・デ・リングとしたという。
また、担当者によるとその後に発売した「ポン・デ・アロエヨーグルト」「ポン・デ・キーマカレー」といったように、さまざまな味のバリエーションを表現しやすいというメリットもあるという。
開発期間は約2年で、発売当初は「誕生、第4の食感。」と打ち出した。また、「ポン・デ・ライオン」という新キャラクターも登場させ、さまざまな関連グッズも展開していった。
ミスドのロングセラー商品誕生にはこうした背景があったのである。
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