電気代高騰や猛暑を背景に企業が「ひんやりグッズ」に商機を見いだしている。ヒットしている商品はどのようにして開発されたのか? 売り場のトレンドはどうなっているのか? 消費者のトレンドや開発の舞台裏に迫る
7月10日に都内で今年初の熱中症警戒アラートが発表されるなど、早くも猛暑が本格化している。日々の暑さ対策が必須となる中、日傘や手持ち扇風機などに加え、定番商品になりつつあるのが「ネッククーラー」だ。
キャンプや真夏の公園遊びなどアウトドアシーンでの装着は一般的になってきたが、通勤時やおしゃれをして外出するといった場面にネッククーラーを合わせることに抵抗感を持つ人もいる。そんな状況で、新規ユーザーの獲得に乗り出しているのが家電メーカーのサンコーだ。新商品の狙いや反響を同社の開発担当者に聞いた。
サンコーがネッククーラーに参入したのは2015年。20年に最初のヒット商品である「ネッククーラーNeo」が生まれた。その後も毎年改良を加え、累計販売台数は110万台を突破する人気商品になった。
ネッククーラーは、ヘッドホンを首から下げるように装着し、首の頸動脈の周辺を冷やすアイテム。半導体素子であるペルチェ素子の電流を流すと片面で吸熱(冷却)し、もう片面で発熱(加熱)する特性を利用している。
同社では毎年新しいネッククーラーを発売しているが、今年はカラーやデザインにこだわったという。「これまで黒と白だった『ネッククーラーSlim』(6480円)に、グレーを追加しました。また、同じシリーズから数量限定でサンリオの人気キャラクターのシナモロールとクロミのモデルも販売しています」(同社広報部えき晋介さん)
性能ではなくデザインを強化した背景には、女性需要を取り込みたい狙いがあるという。「ネッククーラーは技術的にはほぼ完成したといえます。今後は、これまでネッククーラーに抵抗があった女性でも付けたくなるような、カラーバリエーションやデザインの種類を増やしていきたいです」(えきさん)
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR注目記事ランキング