「目立つので付けづらい」から2年 暑さ対策の新定番「ネッククーラー」が進化猛暑に商機 「ひんやりグッズ」の狙い(2/2 ページ)

» 2023年07月15日 07時00分 公開
[菊地央里子ITmedia]
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「目立ちたくない」「冷たくしたい」を両立

 加えて、ネッククーラーに対して「目立つので付けづらい」「もっと目立たない商品が欲しい」という声も寄せられていたという。こうした声を受けて今年4月、同社は開発に約2年かけた新商品「セナクール」(7980円)を発売した。

sanko 開発に約2年かけた新商品「セナクール」(編集部撮影)

 従来のネッククーラーと異なり、セナクールは首回りのアーム部分が細く、目立たなくなっている。アームは柔らかい材質を使用しているため首回りは28〜50センチまで対応可能で、男女兼用で使用できる。

 肝心の冷却機能は首周りではなく、背中部分に集約。服の中に入れて使用することを想定し、幅60×高さ129×奥行き28ミリメートルのコンパクトサイズにした。アームの形状にこだわり、体にしっかり密着するよう設計している。

sanko コンパクトサイズで目立たない(同社提供)

 背中部分には冷却プレートの他、2カ所の風の吹き出し口を設けている。背中は首回りと異なり、リュックや衣類などで蒸れやすい特徴がある。そのためただ冷やすだけでなく、背中の蒸れを本体の下部にある吸気口が吸い出して排出しつつ、送風口から風を送ることでより涼しさを感じられるようにした。フル充電で、オン60秒・オフ180秒を繰り返すエコモードだと約2時間、オンを維持するノーマルモードだと約1時間使うことができる。

sanko 蒸れやすい背中にこもった熱を排出(同社提供)

 シリーズ累計110万台を売り上げ、同社の夏の主力商品となっているネッククーラー。近年は同様の商品が多く販売されているが、放熱性能に加えて安全性の高さが大きな差別化ポイントだという。

 ネッククーラーは、いうなればバッテリーを首にかけているので、急な発熱や爆発などの危険性がゼロというわけではない。「小型化・軽量化はもちろんですが、バッテリーはあらゆる衝撃から守るための仕様は必須です。こうしてネッククーラーで培った技術が、セナクールにもしっかり反映されています」(えきさん)

sanko 高い安全性を維持(編集部撮影)

 セナクールの販売台数は1万台を突破し、初回出荷分は完売。購入者からは「小さいので気軽に付けられる」「エコモードで使っていても十分効果が感じられる」といった声が寄せられており、追加分の量産を急いでいるという。猛暑の時期が迫る中、ネッククーラーとセナクールは好調を維持できるか。

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