話題性はあるだろうと思っていたが、市場の反応は想定以上だったと杉山氏。
「きのこの山、たけのこの里ブランドは、何かネタを投入すると消費者の間で会話が自走していく特徴があり、今回も会話が生まれるだろうとは思っていました。ただ、その盛り上がりは想定以上で、会話を促進する格好のネタを提供できたのかなと」
これまでにも、同ブランドはたびたびSNSなどで話題に上がっている。20年に期間限定で発売した「きのこの山濃い抹茶味」「たけのこの里まろやか抹茶味」もその一つ。
「きのこの山」は京都府産の宇治抹茶、「たけのこの里」は愛知県産の西尾抹茶を使い、抹茶の味わいをあえて変えた。すると「きのことたけのこ、どっちが好きか」の論争に加え、「京都府産と愛知県産のどちらの抹茶が好きか」の論争も生まれ、SNS上での会話が盛り上がったのだ。
「きのこの山」も「たけのこの里」もメインの購入者層はファミリー層だが、新商品が話題になると、しばらく商品を購入していなかった「離反ユーザー」も購入するようになり、結果、売り上げが伸びる。今回の「チョコぬいじゃった!きのこの山」もまさにそうで、SNSでは幅広い層がアレンジなどを楽しむ様子を投稿している。
「きのこの山」は1975年、「たけのこの里」は79年に発売と、50年近く続くロングセラー商品だ。「これまでの歴史は大事にしつつ、常に時代に沿った新しい挑戦をしたい」と杉山氏は展望を話した。
「チョコぬいじゃった!きのこの山」がヒットしたのは、築き上げてきた高いブランド力があってこそだが、消費者の遊び心や好奇心をうまく刺激したことが大きいのだろう。思わず「こんなのアリ?」と発信したくなるような新商品を引き続き期待したい。
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