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「社内コミュニケーション」が転換期を迎えている、3つの要因が関係「社内雑談力」の極意(3/4 ページ)

» 2023年08月23日 08時00分 公開
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上司の指示や意見は「絶対」と考えられていた

 こうした問題が顕在化したのは、日本企業の体質の変化が密接に関係しています。

 日本企業の多くは、終身雇用や年功序列を前提とした「家族主義」を貫いてきましたが、1990年代初頭のバブル崩壊によって体質改善を余儀なくされ、欧米流の成果主義に舵を切ったことで、現在ではそれが主流になりつつあります。

昭和の時代、上司の指示は「絶対」だった(画像:ゲッティイメージズより)

 昭和の時代は、上司の指示や意見は「絶対」と考えられていました。

 会社のトップが「右」といえば、全社一丸となって右に向かうのが当然のこととされていましたが、現在では誰の判断が正しいのかわからないような時代となって、上司そのものがジャッジに迷うような時代になっています。

 僕は日本の大手企業の管理職の人が、飲み会の席でこんな話をしているのを聞いたことがあります。

 「俺は自分の上司には絶対に本音を言わないよ」

 自ら管理職の立場にある人が、自分の上司に本音を「言えない」のではなく、「言わない」と公言しているのです。

 この人が例外ではないことは、僕が自分のフェイスブックを使った250人の調査でも明らかです。

 「あなたは自分の上司に本音を言えますか?」

 この質問に対して、4人に1人が「上司には本音を言うべきではない」と答え、3人に1人が「上司には本音を言っていない」と回答しています。

 このままでは、職場の心理的安全性が高まるはずがないと思ってしまいます。

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