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「働きがいのある企業ランキング」グーグルが何度も1位、その理由は?「社内雑談力」の極意(3/3 ページ)

» 2023年08月24日 08時00分 公開
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2000人以上の部下の名前を覚えた人事のトップ

 僕がグーグルに在籍していたとき、人事担当上級副社長(バイス・プレジデント)として、人事のトップを務めていたのが、グーグルの人事制度の原則や理念を記して日本でも話題になった『ワーク・ルールズ!』を出版したラズロ・ボック氏です。

 その当時、彼には世界中に2000人以上の部下がいましたが、そのすべての顔と名前を覚えていて、顔を合わせる機会があれば、誰に対しても気軽に声をかけていました。

 「ピョートル、こんにちは! 元気ですか?」

 僕は、アジアパシフィックの人材育成統括部長をしていましたから、名前と顔を知っていても驚くことはありませんが、入社1年目くらいの新人社員に対しても必ず名前を呼んで、気さくに雑談をしていたのです。

 「ジョンさん、今日はシドニーから来たんですよね。疲れてないですか?」

 誰がどこのオフィスに勤務していて、どんな仕事をしているのか、そのすべてが頭の中に入っているようでした。

社内コミュニケーションは大切(画像:ゲッティイメージズより)

 いくら人事のトップでも、世界に2000人以上もいる部下の名前をすべて記憶している人は、彼以外にはいないと思います。

 「あなた」や「きみ」ではなく、きちんと名前を呼んでから雑談をすることが、どんな印象を与えて、相手がどんな気持ちになるのかを十分に知り尽くしているのです。

 グーグルの経営幹部は、社員とのコミュニケーションを非常に大事に考えています。

この記事は、『世界の一流は「雑談」で何を話しているのか』(ピョートル・フェリクス・グジバチ/クロスメディア・パブリッシング)に掲載された内容に、編集を加えて転載したものです。


著者プロフィール:ピョートル・フェリクス・グジバチ( Piotr Feliks Grzywacz )

 連続起業家、投資家、経営コンサルタント、執筆者。プロノイア・グループ株式会社代表取締役、株式会社TimeLeap取締役、株式会社GA Technologies社外取締役。

 モルガン・スタンレーを経て、Googleで人材開発・組織改革・リーダーシップマネジメントに従事。2015年に独立し、未来創造企業のプロノイア・グループを設立。2016年にHRテクノロジー企業モティファイを共同創立し、2020年にエグジット。2019年に起業家教育事業のTimeLeapを共同創立。ベストセラー『 NEW ELITE 』他、『パラダイムシフト 新しい世界をつくる本質的な問いを議論しよう』『世界最高のコーチ』など執筆。ポーランド出身。


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