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「働きがいのある企業ランキング」グーグルが何度も1位、その理由は?「社内雑談力」の極意(2/3 ページ)

» 2023年08月24日 08時00分 公開
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意図的に雑談の機会を作るオフィス設計

 グーグルは、社員同士が頻繁に雑談をして意見交換をする社風ですが、会社もそれに適した環境を整えるなど、さまざまな工夫をしています。

 英語では、「create collisions」といいますが、「衝突を作る」とか「衝突の機会を作る」ようなオフィスの設計になっています。

グーグルはオフィス設計にもこだわり(画像:ゲッティイメージズより)

 日本企業のオフィスは働き方改革によって、ワンフロアのオープンオフィスでフリーアドレスが多くなっていますが、グーグルの場合は広いスペースや会議室がたくさんあり、それらが狭い通路でつながれています。

 どこかに移動する際には、その通路を利用する必要がありますから、どうしても社員同士が顔を合わせる機会が増えるのです。

 お互いに顔を合わせれば、「元気?」とあいさつしたり、「そういえば、先日のアジェンダのことだけど、どう考えている?」といった雑談が始まります。

 これはグーグルの日本のオフィスも同じですが、会社が意図的に雑談の機会を作り出しているのです。

 社員同士の「衝突を作る」という考え方は社員食堂にも反映されています。

 グーグルには無料でおいしい食事ができる社員食堂がありますが、ひとりで座れるような席がありません。日本企業の社員食堂のように、窓際のカウンターに座ってひとりで食事をするようなスペースはなく、長いテーブルを複数の人たちで使うようになっています。

 社員同士が隣り合って座れば、「あれ? 何を話しているんですか?」と自然に雑談が始まります。エンジニアが「会社のキャリア制度を調べたんだけど、よく分からないんだよね。みんなに聞いていたんだ」と言えば、隣に座った人事部の社員が、「それは、あのページに詳しく出ていますよ」と気軽に声をかけます。

 社員がリラックスして食事をしながら、すぐに情報交換ができるような環境が整えられています。

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