グーグルは、社員同士が頻繁に雑談をして意見交換をする社風ですが、会社もそれに適した環境を整えるなど、さまざまな工夫をしています。
英語では、「create collisions」といいますが、「衝突を作る」とか「衝突の機会を作る」ようなオフィスの設計になっています。
日本企業のオフィスは働き方改革によって、ワンフロアのオープンオフィスでフリーアドレスが多くなっていますが、グーグルの場合は広いスペースや会議室がたくさんあり、それらが狭い通路でつながれています。
どこかに移動する際には、その通路を利用する必要がありますから、どうしても社員同士が顔を合わせる機会が増えるのです。
お互いに顔を合わせれば、「元気?」とあいさつしたり、「そういえば、先日のアジェンダのことだけど、どう考えている?」といった雑談が始まります。
これはグーグルの日本のオフィスも同じですが、会社が意図的に雑談の機会を作り出しているのです。
社員同士の「衝突を作る」という考え方は社員食堂にも反映されています。
グーグルには無料でおいしい食事ができる社員食堂がありますが、ひとりで座れるような席がありません。日本企業の社員食堂のように、窓際のカウンターに座ってひとりで食事をするようなスペースはなく、長いテーブルを複数の人たちで使うようになっています。
社員同士が隣り合って座れば、「あれ? 何を話しているんですか?」と自然に雑談が始まります。エンジニアが「会社のキャリア制度を調べたんだけど、よく分からないんだよね。みんなに聞いていたんだ」と言えば、隣に座った人事部の社員が、「それは、あのページに詳しく出ていますよ」と気軽に声をかけます。
社員がリラックスして食事をしながら、すぐに情報交換ができるような環境が整えられています。
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