グーグルは米国の雑誌『フォーブス』が選ぶ「働きがいのある企業ランキング」で何度も世界の第1位に選ばれています。その理由のひとつは、社内のコミュニケーションを重視していることにあります。
どの分野の企業でも、従業員や部下が抱える一番の不満は「上司から十分な情報が得られない」、「上司が何を考えているのか分からない」という点にあります。
上司と部下が日常的に意思の疎通を図れなければ、部下は自分がチームの重要な一員であると認識することができません。
グーグルでは、社内のコミュニケーションを充実させることが、部下の幸福感の維持につながる……と考えています。その象徴的な例が、毎週金曜日の午後に開かれているTGIF(Thanks Google It's Friday)という全社的なミーティングです。
ここでは、社長や経営幹部が壇上にあがり、会社の方向性や新規事業、新商品などについて、全社員に説明をします。
その場には、お酒やおつまみも用意してあり、参加者同士がフランクに議題について話し合うことができますが、ポイントは普段は接することのない経営幹部に対して、ダイレクトに質問ができることです。
「社長の意見は間違っていると思います」
「その判断は正しくない方向に向かっています」
参加者は忌憚(きたん)のない意見を経営陣にぶつけることができるのです。
こうした厳しい意見に対して、経営幹部が感情的になることはありません。丁寧なフィードバックを返して、議論を深めようとします。お互いの意見を交換することによって、全社員が納得して新たなビジネスに立ち向かう環境を整えます。
このTGIFという全体ミーティングは、単に社内の風通しをよくするためではなく、会社の考え方や方向性を経営陣と社員が共有することで、さらに生産性をアップさせることを目指しています。
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