HR Design +

「ホワイトカラー500人を建設職人へ」――ライザップ衝撃の発表 “結果にコミット”する「育成プログラム」とは(1/2 ページ)

» 2026年04月17日 07時00分 公開
[荒岡瑛一郎ITmedia]

 「2026年度中に500人のホワイトカラーを建設人材にシフトする」――トレーニングジムを運営するRIZAPグループ(東京都新宿区)が、前代未聞の方針を打ち出した。同社は4月14日、新たに建設事業に参入すると発表した。それに当たり、職人を自前で確保する狙いがある。

 新事業では、小売業の店舗工事などを施工面で支援する。同社は、コンビニジム「chocoZAP」(チョコザップ)を4年弱で1900店舗以上に急拡大させた。スピード出店で培った施工ノウハウや建設アセットを生かす考えだ。

 同社はchocoZAPの高速展開に際して「人手不足」に直面した。その対策としてジムトレーナーがジョブチェンジを成功させた例があり、その取り組みを拡大させることが建設業界の構造的課題に対する解決策になるとみている。

 「従業員500人の転身」という数字は、グループ従業員約4600人の10%超に当たる。この目標を達成するための秘策が、RIZAP流のリスキリング手法だ。その中身とは。新事業を手掛けるRIZAP建設(東京都新宿区)の幕田純氏(代表取締役社長)を直撃した。

photo chocoZAP麹町店(アイティメディア撮影)

500人を建設職人へ “結果にコミット”する「育成プログラム」とは

 chocoZAPをスタートさせた2022年当時、次々に出店したため施工作業を担う人手が足りなくなったという。

 同じ頃、コロナ禍で自粛や「3密回避」が呼びかけられており、フィットネスジムの客足が遠のいていた。仕事が減ったジムトレーナーが、本業に代わって内装工事を手掛けたケースが建設人材へのジョブチェンジの第一号になった。

 「チャレンジ精神にあふれた人が多くて、ジムトレーナーから内装工事のプロになったメンバーもいます。建設人材への転身をグループ内で公募しつつ、育成カリキュラムを整えて挑戦を支援します」(幕田氏)

photo インタビューに答える幕田氏(アイティメディア撮影)

「ジムトレーナーの育成メソッド」を建設人材に生かす

 「不足する専門人材の育成」は今回が初めてではない。パーソナルトレーニングジム「RIZAP」の立ち上げ時にも経験していると幕田氏は話す。RIZAPの店舗数を増やす中で、ジムトレーナーの採用に苦戦した。労働市場におけるジムトレーナーの数が少ないため、自社で育てる方針を取ったという。

 ジムトレーナーの育成カリキュラムや育成環境を整えて、スキルや知識がなくても「フィットネスに興味がある」「お客さまのために何かしたい」という人を採用。ジムトレーナーとして活躍できる人材を輩出した。

 「私もジムトレーナー出身で、育成カリキュラムに自信を持っています。当社のやり方でプロのジムトレーナーを育成して、店舗展開や事業推進につなげた実績があります。このコンセプトを建設業に当てはめて、成功させられる可能性があります」(幕田氏)

「結果にコミット」するRIZAP流のリスキリング手法とは

 RIZAP建設は、ジムトレーナーの育成メソッドを応用して、建設人材を育てる「リスキリングプラットフォーム」を整えた。プログラムは3ステップで構成されており、第一段階の「RIZAP建設育成アカデミー」は、外部の専門家による座学と実技を組み合わせた育成プログラムを実施する。

 第二段階の「現場でのOJT」は、20社以上の協力会社と連携して、実際の施工現場で経験を積む。まずは内装工事のスキルを身に付けて、順次ステップアップする予定だ。

 第三段階では、施工管理技士や電気工事士といった国家資格の取得を、費用や学習面でサポートする。

photo RIZAP建設が用意したリスキリングプラットフォーム(出所:RIZAP建設による4月14日の発表会資料)
       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アイティメディアからのお知らせ

SaaS最新情報 by ITセレクトPR
あなたにおすすめの記事PR