ガソリン価格が高い! 税金の代わりに“財源”を確保する方法とは高根英幸 「クルマのミライ」(2/5 ページ)

» 2023年09月15日 08時00分 公開
[高根英幸ITmedia]

ガソリン税とは何か

 補助金を支給するにも財源が必要だ。しかも、これまでガソリンや軽油など燃料油の高騰対策に費やした補助金は、2022年1月から23年9月末までの累計で6兆2000億円と、とてつもない金額に上る。

 民主党政権時代に可決した法案だから、それを実行したくないというプライドがあってトリガー条項を発動しない――。このような意見もあるだろうが、本音の部分はガソリン税という“金の卵を産む鶏”を手放したくないことがある。

 単純に所得税や消費税を増税すれば、国民の反発は必至、再び政権を野党に奪われる可能性も出てくる。それよりドライバーに我慢してもらったほうがマシということで、その場しのぎの補助金支給を続けている、というのが現状ではないだろうか。

 しかし財源を国債と税収に頼っている現在の状態では、むしろガソリン税に頼って補助金を支出しているような状況とも言えるのだ。こんなバカバカしい状態を政府はいつまで続けられると思っているのだろう。

 そもそもガソリン税は揮発油税など道路整備のための特定財源として設立されたものであり、それが一般財源化された時点で課税の目的および使い道が無効化されている。しかも消費税が導入されたことで、本来は廃止すべきところを存続し、さらに消費税を課税するという二重課税を平気で続けているのである。

 単価だけで見れば「欧州のほうが高く、日本国内の燃料代はまだまだ安いほうだ」という声もあるが、そもそも給与水準や物価などは日本のほうが低い。であるなら暫定税率分どころか、ガソリン税を撤廃してその代わりの財源を確保することを考えるべきだろう。

ドライバーやライダー、サイクリストに歩行者、すべての交通利用者がルールを軽視していれば、交通事故は減らない。そのため交通事故対策と税収不足を補うには、反則金制度をさらに利用することが合理的なのだ

 その一つとして交通違反の検挙率を上げ、反則金によって税収をカバーすることを考えてはどうだろう。近年のドライバーのレベル、モラル、マナー低下はSNSへの投稿(さらにはそれを取り上げるワイドショー)によって、白日の元にさらされている

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