サイゼリヤが支持される大きな理由の一つとして、岩崎氏は圧倒的な「安さ」を挙げた。例えば、ランチメニューのハンバーグ(ライス・サラダ・スープ付)は500円、人気のミラノ風ドリアは300円などとなっている。
安さを維持するため、サイゼリヤでは店舗のオペレーション、人員配置、調達などの面で努力している。安心できる価格でイタリアンを提供したいという同社の意図と、安く食事をしたい顧客ニーズが合致している。
客単価を見ると、19年は566円で、23年は854円に増えているが、岩崎氏は「それでもファミレス業態の中で800円台というのは十分安い」と指摘する。
23年7月にサイゼリヤは粉チーズの無料提供を終了すると発表し、大きな話題になった。しかし、基本的にメニューの価格は据え置きとなっているので大きな影響はない。
LINEリサーチの調査結果でも、サイゼリヤを好きな理由の1位が「値段が安いから」(68.7%)、2位が「コストパフォーマンスがいいから」(54.0%)と安さに関する項目が上位に入っている。
もう一つの理由として、客層の広さが挙げられる。ファミリー層に支持されるのはもちろんだが、夕方には女子高生などが気軽に店を利用している。また、ランチタイムにはビジネスパーソンが1人で来店する姿がよく見られる。
1人客にも支持される理由について岩崎氏は「メニューが比較的早く出てくるので、時短になる。また、1人で利用しても違和感のない店づくりになっている」と指摘した。
サイゼリヤは低価格を実現するため、少人数で店舗を運営している。いわゆる感動的な接客はないが、サービスが悪いわけではないのもポイントだという。
サイゼがランキングや顧客満足度調査で上位にランクインする理由は、圧倒的な安さと幅広い客層にあるようだ。
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