リテール大革命

大規模ゲーセン「池ギー」2年ぶり復活 「クレーンゲーム269台」そろえた戦略全4フロア、延べ947坪

» 2023年09月22日 10時05分 公開
[水口幹之ITmedia]

 9月20日、池袋サンシャイン60通り沿いに、大型アミューズメント施設「GiGO 総本店」がオープンした。

 開店を待ちわびる客が長蛇の列を作る中、正午にオープニングセレモニーを開催した。列の先頭に並んだ客は「朝4時前から並んで開店を待った」と話す。

GIGO総本店(編集部撮影)
開店と同時に客がなだれこんだ(編集部撮影)

延べ947坪、「クレーンゲーム269台」そろえた戦略

 「GiGO」は、かつてSEGAが運営していたアミューズメント施設ブランドだ。現在はゲームセンター事業をGENDA(東京都港区)に譲渡している。

 旗艦店だった「池袋GiGO」は施設の定期建物賃貸借契約の満了のため、2021年9月20日に閉店した。当日は緊急事態宣言下にもかかわらず、1000人規模の客が詰めかけ、別れを惜しんだ。

旧「池袋GIGO」は21年9月に閉店(出所:プレスリリース)

 多くの利用者から支持を集めていたことを受け、GENDAの子会社、GENDA GiGO Entertainment(東京都港区)は池袋GIGOの閉店後間もなく、再出店に向けたプロジェクトを企画し、21〜22年の間に池袋エリアに3店舗を出店。そして池袋GIGO閉店からちょうど2年となる9月20日に、旗艦店となるGiGO 総本店をオープンした。

 GIGO 総本店は地下1階から地上3階の4フロアで構成され、営業面積は947坪。ゲーム機の構成はクレーンゲーム269台、体感音楽ゲーム118台、ビデオ大型カードゲーム72台、プリントシール機18台などと大規模だ。

 ゲームセンター業界はコロナ禍の影響で規模縮小が進むものの、「プライズ」(ゲームによる獲得できる専用景品)の売り上げ規模は14年から19年にかけて1.7倍に拡大している。こうした需要拡大や外国人観光客の客足増加を見据え「クレーンゲームの商品ラインアップには特に力を入れた」と、GENDA GiGO Entertainmentの二宮一浩社長は説明する。

GENDA GiGO Entertainmentの二宮一浩社長
1階にはクレーンゲームがズラリと並ぶ

 同社がドミナント出店する秋葉原、池袋は日本発祥のゲーム・アニメファンの集まる「聖地」として海外でも有名であり、こうしたインバウンド需要を狙う姿勢だ。

 地下1階はeスポーツ選手がスペックを監修した音楽ゲームが並ぶほか、2階は版権キャラクターとのコラボなどを行う「GiGOのたい焼き総本店」やエアーポップコーン専門店「HillValley」が出店。3階は地域最大規模のプリントシール機コーナーを設け、利用者が化粧などを直せるよう、専用のドレッサーを備えた。

プリントシール機のそばにはドレッサーを備えている

 建物の正面には大型のデジタルサイネージを6台設置し、それぞれが連動した映像を展開している。GENDA GiGO Entertainmentの二宮社長は「ビジュアルエンターテインメント」としてまちゆく人々を楽しませたいとしつつ、「“新宿の飛び出す猫”に負けないような、サンシャイン60通りの名所にしていきたい」と意気込んだ。

 GiGO総本店を運営する株式会社GENDA GiGO Entertainmentは、20年にセガグループからGENDAへ譲渡されたセガエンタテインメントが前身で、22年に社名が現在のものとなっている。都市型からショッピングセンター型など国内に252店舗を出店し、ゲームセンターとしては業界第3位の規模を誇る。

 親会社のGENDAは7月に東京証券取引所グロース市場へ上場しており、同社の申社長は「GENDAブランドの成長ドライバーになってほしい」と期待を話した。

GENDAの申真衣社長

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