近年、多くの航空会社でオンラインチェックインサービスの導入や利用促進に向けた取り組みが進められている。
国内線利用者のチェックイン方法で最も多かったのは「自動チェックイン機」が42%、次いで「オンラインチェックイン(事前手続きによって当日のチェックインが不要になるサービスも含む)」が35%、「チェックインカウンター」が23%だった。
多くの国内線利用者がセルフチェックインのサービスを利用しているものの、そのうち「オンラインチェックイン」の利用はどの年代でも約3〜4割にとどまっており、自動チェックイン機の利用が多いことが分かった。
オンラインチェックイン利用時に困ったことや不満に感じたことを聞いたところ、最多は「うまくできたか最後まで不安だった」(11%)で、その航空会社を初めて利用した利用者で約3割(27%)がこの不満をあげていることが分かった。
フライトの遅延有無も聴取したところ、2割の国内線利用者が予定時刻からの遅延(出発・到着いずれかで15分以上)が発生したと回答した。
フライト遅延を経験した顧客の満足度は低く、総合満足度は676ポイントと調査全体平均(701ポイント)をマイナス25ポイントも下回った。中でも「機材トラブル・機材整備のため」という航空会社の整備上の問題による遅延の場合、総合満足度は全体平均よりマイナス61ポイントと大幅な低下となった。
さらに、今後もその航空会社を利用したいとする意向は41%と、全体平均の58%を17ポイントも下回った。確実な定時運行への要求が高いサービスであるために、フライトの遅延は顧客満足度や顧客ロイヤルティの醸成において大きなリスクになり得ると言えることが分かった。
一方、フライト遅延を経験した顧客で、遅延に関し「航空会社の地上スタッフから十分な説明が行われていた」と答えた顧客の総合満足度は705ポイント、「フライトクルー(客室乗務員など)から遅延に関する分かりやすい説明が行われていた」と答えた顧客では695ポイントと、平均前後の水準にまで高まる傾向も見られた。遅延発生時の顧客への適切な情報提供により、満足度の大幅な低下を抑制できる可能性がうかがえた。
一部の大手航空会社では、機内無料Wi-Fiサービス(インターネット接続サービス)を提供している。無料Wi-Fiサービスの提供がある航空会社利用者の28%がサービスを利用していた。プライベートまたはビジネス目的でのフライト利用、どちらのケースでも約3割が利用していて、フライト中に機内Wi-Fiサービスを利用する顧客は一定数いることがうかがえた。
一方で、Wi-Fiサービス利用者の4割超(44%)が、なんらかの不具合やトラブルを経験している。内容は「速度が遅かった」、次いで「途中で接続が途切れた/途切れることがあった」という指摘が多く、機内Wi-Fiサービスについては通信品質面における改善の余地が大きいようだ。
J.D. パワージャパンは、「フライト中でもスマートフォンなどでWi-Fiが利用できることへの顧客期待は大きいと考えられ、今後の品質改善が期待される」と話した。
今回の調査は、直近1年以内に国内線で直行便を利用した人(18〜74歳)を対象に、インターネットで行った。期間は6月中旬、有効回答数は4470人。
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