コンテンツの「支出喚起力」ランキング 「日向坂46」などアイドル抑え1位は推し活

» 2023年09月26日 05時00分 公開
[季原ゆうITmedia]

 最も「支出喚起力」が強いコンテンツとは――博報堂DYホールディングス、博報堂、博報堂DYメディアパートナーズの共同研究プロジェクト「コンテンツビジネスラボ」は、「コンテンツファン消費行動調査2023」を実施した。

 その結果、コアファンによる年間の関連市場規模の指標となる「支出喚起力」ランキングでは、1位が「ポケットモンスター」、2位は「SixTONES」、3位を「日向坂46」が獲得した。

photo 「コンテンツファン消費行動調査2023」を実施(画像はイメージ)
photo 2023年リーチ力・支出喚起力ランキング(出所:プレスリリース、以下同)

 1位を獲得した「ポケットモンスター」は、ゲーム・テレビアニメ・グッズを展開し、自治体とのコラボなどオフラインの接点も拡大し生活者との関係を深めた。2022年には新作ゲームソフトを2タイトル発表し、いずれも好調だ。

 22年調査ではランク外だった8位の「東京卍リベンジャーズ」、16位の「ゴールデンカムイ」は、いずれもテレビアニメ化や映画化、公的機関を含めたさまざまなコラボを果たすなど、マンガだけにとどまらない接点を増やし人気を高めた。

 博報堂は「これまで着実に足場を固め生活者との接点を広げてきたコンテンツが、新作ゲームやマンガの完結など“象徴的な瞬間”を話題化することで、生活者の支出につなげているようだ」と考察している。

 どれだけ多くの生活者に接触できるかを示す「リーチ力」ランキングでは、2年連続「鬼滅の刃」が1位を獲得した。絶えずグッズやコラボ商品が販売され、アニメの新作放送の開始までの間、再編集された過去の作品が劇場上映するなど、多くの生活者の目に触れ続けたことで、高いリーチ力を保っている。

 2位は「SPY×FAMILY」、3位は「ONE PIECE」が獲得した。リーチ力では、マンガ発の新作テレビアニメのヒットが目立った。

photo コンテンツへの平均支出金額の推移

 生活者のコンテンツへの年間平均支出額は、前年調査と比較すると7874円の増加となり、6万8527円だった。コロナ禍以降、最も高い水準となった。

photo 各カテゴリの推計市場規模の推移

 カテゴリ別でみると、リアルイベント市場が22年調査から大きく伸び、コロナ禍前の規模に迫っている。他にもレジャー市場やファンクラブ市場も、22年から拡大が続いている。音楽のライブ・コンサートの推定市場規模は22年から53%増加、野球の生観戦は67%増加など、リアルイベントそのものへの支出も増え、ファンクラブやグッズなどへの支出も増加したと考えられる。

 調査は3月10〜15日、全国の15〜69歳の男女を対象にインターネットで実施した。有効回答数は1万サンプル。

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