ソフトバンクグループ(SBG)の孫正義会長兼社長は10月4日、都内で開いた自社イベントに登壇し「SBGを世界で最もAIを活用するグループにしたい」と力説した。
孫氏は、特にChatGPTなどの生成AIと、汎用型人工知能であるAGI(Artificial General Intelligence)について語り、「AGIは10年以内に実現する」と持論を述べた。AGIが達成された状態については「人類の英知を総和した10倍くらい優れている状態に達したとき」と定義し、何を聞いても人間よりAGIの方が優れた回答を出す状態だとしている。
孫氏はAGIを規制をしようとする動きに賛意を示しつつも「だからといってこれを使わないのは自動車や電気を使わないと主張しているに等しい。AGIを使った方がその国、その企業、その人は進化する」と強調した。
その上で「AI革命は好む、好まざるに関わらずやってくる」と話し、AGIはあらゆる産業を根底から変革するとした。一方、企業のChatGPT利用率が日本で7%、米国で51%と水をあけられている統計を引き合いに出すと「これは日本企業にとって一番の問題だ」と指摘。日本企業がAI活用で出遅れている現状に警鐘を鳴らした。
そうした中で孫氏は「SBGを世界で最もAIを活用するグループにしたい」と強調。ユーザーとのタッチポイントとデータを、日本でトップレベルに多く持つ同グループを挙げて、AGIの世界を目指すと話した。
優勝賞金を1000万円(総額2500万円)に設定した「生成AI活用コンテスト」を同グループで実施した事例も紹介。提案件数が10万件に達したことを強調した。「生成AIだけで、これだけのアイデアが出たのは世界一じゃないかと思う」と胸を張った。提案された10万件のアイデアから特許の申請や事業化したものは約1万件にのぼり、孫氏自身も個人で890件を突破したことを明かした。年内に1000件の申請を目標にしているという。
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