レクサスは10月25日、次世代BEVコンセプトカー「LF-ZC」を世界初公開した。2026年に市場に投入する予定。同日から東京ビッグサイト(東京都江東区)で開催中のジャパンモビリティショー(旧東京モーターショー)で同社のサイモン・ハンフリーズCBO(最高ブランディング責任者)は同車種について「ラグジュアリー・モビリティの未来を示すフラッグシップ」と説明している。
同車種では車体構造・コンポーネントを小型軽量化した。車体にはフロント、センター、リヤに3分割した新モジュール構造「ギガキャスト」を採用。キャスト化による形状自由度の向上でしなやかさを実現し、一体成形により締結部を低減することで剛性を高めるとともに、操作に対してリニアでより自然なフィーリングを実現した。
新構造はコスト削減効果もあるという。同車種では、生産工程で組立中の車が自走し、次の工程に移動する「自走組立ライン」を採用する。これにより、フロント、センター、リヤの3つの部品に、電池、モーター、タイヤ、無線端末がついただけの状態で自走を実現。ラインからコンベアをなくせるようになり、工場のレイアウトが自由自在に変更でき、年単位に及ぶ量産に向けた準備期間や、数十億円の工場投資を削減できるという。
ハンフリーズCBOは「より小さく、より広く、もっとエモーショナルなデザイン、もっと広いスペースとフレキシビリティ、もっとドライバーに寄り添うクルマだ。より小型で高効率なバッテリー、かつパワフルで、長い航続距離を実現する」と説明する。開発中の次世代バッテリー「次世代電池パフォーマンス版(角形)」で、空力性能や軽量化による車両効率や電池性能の向上させ、航続距離1000キロの実現も目指す。
新たなソフトウェアプラットフォーム「Arene OS」を採用し、先進安全技術やマルチメディアなど、時代の進化に合った機能も順次アップデートする。さまざまな車体の操作、駆動力、音、振動を再現することも可能だという。
ハンフリーズCBOは「デジタル時代のコンテンツやサービスは、ユニークな選択肢を生み出すのに不可欠。新しいハードとArene OSが一体となってシナジーを発揮し、全く新しい体験を創造する」としている。
内装では前席乗員を前方に低くすることで室内空間に広がりを生み出し、フルフラットで開放的なインテリアデザインを実現している他、「Eyes on the road」(常に路面を注視している状態)を追求し、ヘッドアップディスプレイと同じ原理でフロントウィンドウに情報を映し出す遠視点メーターを採用。視線移動を最小限に抑え、運転に集中できるコックピットを実現している。
ハンフリーズCBOは「レクサスはこれからも、本物を知るお客様に、期待を超える商品とサービスを提供することに挑戦をし続けていく」としている。
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