低価格弁当を提供しているディスカウントスーパーとしては、埼玉県を中心に展開する「ロヂャース」や、岡山県発祥の「ラ・ムー」などが有名だ。また、セールに合わせて弁当を200〜300円に値下げするスーパーも目立つ。
岩崎氏はオーケーの低価格弁当の特徴として「圧倒的にコスパがいい。他店の同じ価格帯の弁当と比べて、ダントツにおいしい」と指摘する。
オーケーは「Everyday Low Price」を掲げている。これは、値下げセールを実施するのではなく、常に商品を安く提供するというポリシーを意味する。299円弁当は、本来は399円で販売してもいいレベルの内容になっているが、あえてもうけすぎないように価格を抑えていると分析する。
岩崎氏によると、オーケーでは299円という価格でもしっかり利益を出して、消費者に支持される弁当をつくるため、取引先のさまざまなメーカーを集めて知恵を絞っているという。
圧倒的人気を誇るロースかつ重は年間400万個以上売れるとされている。単純計算すると弁当単品で12億円の売り上げとなる。当然、大量仕入れによるコストダウンも実現しているだろう。
低価格で質の高い弁当をつくるメリットは他にもある。
岩崎氏によると、弁当や総菜などの各カテゴリーで、最も価格の安い商品をしっかりつくりこむと、そのカテゴリー全体の売り上げが上昇する傾向があるという。
「一番安い価格の商品が信頼できると、それより高い商品も信頼できる。お客さまは一番安い商品でその店の品定めをしている」(岩崎氏)
つまり「この299円弁当は安いけれど、中身がちゃんとしている」と評価されれば、他の弁当にも波及効果があるということだ。オーケーは「Everyday Low Price」だけでなく、同時に「高品質」も追求していて、その思想が弁当にも反映されている。
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