明大前駅に“さまざまな自販機”を設置して、どんな商品が売れたのか水曜日に「へえ」な話(1/4 ページ)

» 2023年11月08日 09時00分 公開
[土肥義則ITmedia]

 街中で喉(のど)が渇いたとき、近くにある自動販売機でジュースを買う――。そんな何気ない日常シーンが、ちょっとずつ変化している。

 自販機の設置台数を見ると、2000年代には560万台を突破したこともあるが、その後はじりじりと減少している。2010年には520万台に、さらに10年がたった20年には404万台に。直近(22年)だと、400万台を割っていて、396万9500台に減少している(日本自動販売機システム機械工業会調べ)。

自販機の普及台数が減少している(出典:日本自動販売システム機械工業会)

 海外に足を踏み入れると、日本のように街中のあちこちに自販機を設置しているところは少ない。消費行動の違いなどに触れると「あ〜、日本は“自販機大国”だったんだなあ」と思うわけだが、この20年で160万台以上も減っているという数字を目にすると、“小国”に近づいているのかも――。などと感じる次第である。

 その一方で、これまでになかった取り組みもじわじわ広がりつつある。コロナ禍、冷凍の自販機があちこちにできて話題になっていたが、筆者が気になったのは東京の明大前駅に出現した一角である。京王線井の頭下りの3番ホームに、さまざまなジャンルを集めた自販機が登場して、人気商品がポツポツ生まれているのだ。

明大前駅に自販機コーナーが登場

 明大前駅の乗降者数は、1日に4万3000人ほど。利用者数のわりに3番ホームはやや狭く、筆者が訪れた平日の午後5時ごろには、通勤や通学で多くの人が「まだかまだか」と電車の到着を待っている様子がうかがえた。

 駅のホーム(線路の反対側)にドーナツ店があったり、花屋があったり、カレー店があったり、お菓子店があったり。ちょっと珍しい構造をしていて、その片隅に自販機が集まる「KAKUDAI BASE(カクダイ・べース)」が9月16日に姿をあらわした。広さ20坪ほどのスペースに自販機8台が並んでいて、そこで食料品や飲料、雑貨などを販売しているのだ。

 店の前でじーっと観察していると、電車が来るまですべての自販機をじっくり見ている人がいたり、目的の商品を購入する人がいたり、買おうとしたものの電車が来たのであきらめた人もいたり。さまざまなケースを目にしたが、このスペースはどういった会社が運営しているのだろうか。

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