2023年度の新入社員は「AIチャットボットタイプ」――。情報機関の産労総合研究所が発表した今年の新入社員の特徴だ。
「知らないことがあればその場でごく自然に検索を始めるデジタルネイティブ世代である彼らは、さまざまなツールを扱い答えを導き出すことにかけては、すでに高いスキルをもっている」とし「(先輩社員から)適切なアドバイスを受けることで、想定を超える成果を発揮する可能性に満ちている」と、その特徴を説明している。
そんな今年の新入社員は上司や先輩社員に、どんなことを期待しているのだろうか。人材育成サービスを手掛けるトレノケート(東京都新宿区)が調査した。
職場の上司や先輩社員に期待することについて、「いつでも相談できる雰囲気がある」(85.9%)、「人柄が信頼できる」(67.2%)が上位2項目となり、22年度より10ポイント以上高くなった。23年度の新入社員は、上司や先輩社員に相談のしやすさや人柄を重視する傾向がうかがえる。
仕事をする上で「大切にしたいこと」「成し遂げたいこと」は何でしょうか」については「自分の成長」「経験を積む」「プライベートの充実」という回答が上位を占めた。成長とともにプライベートも充実させたいという傾向が読み取れる。
調査結果を監修した法政大学キャリアデザイン学部・廣川進教授は「今年の新入社員の中には、サークル活動をしていなかった学生も多く、教員、上級生、下級生との交流経験や、上下の人間関係の経験がそもそも少なくなっているかもしれない」と指摘。こうした背景が「職場の上司、先輩を理想化したり期待値が上がったりしてしまっているのかもしれない」とし、「期待通りでなかった場合『こんなはずではなかった』という失望に変わることも想定しておいた方がよい」とコメントしている。
調査は8月24日〜9月30日、トレノケートの新入社員研修を受講した新入社員から262件の回答を得た。
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