USJ時代の構想から10年超 沖縄・新テーマパーク「ジャングリア」の舞台裏森岡毅氏の熱意と狙い(3/4 ページ)

» 2023年11月28日 11時13分 公開
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ゼロからのスタート

 森岡氏は過去の講演で、資金集めについて「困難を極めると思ったが、やっぱりそうだった」と振り返った。USJの看板がなくなり、ゼロからスタートして、なんとか資金を集めたが、新型コロナの流行で集まっていた投資もほとんどが撤退。コロナによる規制が緩やかになり、展望が見えたことで再び資金が集まり出したが、ウクライナ情勢の悪化でさらに引いていったという。それでも国内企業を中心に巨額の資金集めを成功させた。

 何が、森岡氏をそこまで駆り立てるのか。

 まずは、沖縄のポテンシャルだ。森岡氏は取材や講演会のたびに、亜熱帯特有の豊かな自然のリゾート性と、琉球王朝の影響が残る独自の風習・文化が、年間1千万人もの観光客を引きつけると説いてきた。さらに沖縄から飛行機で4時間圏内にアジア20億人の人口を抱える市場性も指摘。これから世界的に成長する産業は観光業と明言し、観光立県の沖縄こそが世界に誇れるテーマパークを実現できるとしている。

 そして、日本の観光業の魅力の一つはキャラクターコンテンツとも強調してきた。

2023年2月に着工したテーマパークの建設地

 「日本には手塚治虫ら天才たちが作り上げたコンテンツがたくさんある。日本のコンテンツを使ったテーマパークをアジアに展開し、本社のある沖縄や日本にライセンス料が還元される仕組みを作りたい」と力を込める。

 ところが、沖縄のテーマパークでは、日本のコンテンツは使わないという。「まずは、沖縄の森の素晴らしさを生かした設計にしたい」

 実は、本格着工する区域は、ゴルフ場跡地の敷地面積120ヘクタールのうち、60ヘクタールのみ。第1期工事という位置付けだ。

 森岡氏は「ここで成功したら、第2のパークでキャラクターも出していきたい」とし、テーマパークの拡張も視野に入れる。

 第1のテーマパークの建設が進むゴルフ場跡地について「くぼ地になっており、さらに周りを森や山に隔絶されている。空と自分の目の前しか見えないという没入感を演出しやすい奇跡的な場所」と高評価。沖縄の森を存分に楽しめる立地になっているとした。

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