庶民派・高級派で二極化? オーケー出店で「銀座の格が落ちた」と考えるのは早計なワケ長浜淳之介のトレンドアンテナ(3/5 ページ)

» 2023年11月30日 10時00分 公開
[長浜淳之介ITmedia]

定番だけでなく、銀座店限定の商品もヒット

 銀座店では、すぐ食べられる弁当やピザの爆売れぶりもさることながら、菓子類・医薬品・化粧品・洋酒・日本酒も売れている。調剤薬局も併設することで、顧客の利便にも応えている。生活雑貨・日用品も品ぞろえが多く、食品以外も日常生活に必要なものが数多く売場に並んでいる。

調剤薬局もあり、生活者の利便性に寄り添う店舗になっている(同前)

 総菜・ベーカリーでは、ロースかつ重・焼鳥丼・若鶏の塩から揚げ・オリジナルピザなど、他店で人気の商品は、銀座店でも取り扱う。価格も同じだ。一方で、銀座店の限定品もある。ローストビーフ重やTHE鮭弁当、あるいはすき焼き弁当といった弁当類や、きのことベーコンのトリュフソースピザなどが該当する。近隣の百貨店や高級な食品専門店を意識して、それらに負けない品質でありながら、創意工夫により、できるだけ低価格で販売できるようにした。

インバウンドを意識した酒類なども数多くラインアップ(同前)

 加工食品では、インバウンド需要を想定したお土産用の菓子や日本酒も充実。飲食店需要を想定したウイスキー・ワインの品ぞろえも充実させた。こうした施策が現状、当たっている。「銀座の街で、なくてはならないお店と思っていただけるよう頑張る」と、好調なスタートにも同社は浮かれず、国道16号線内の出店を都心・郊外を問わず進めていく方針だ。来年度には、大阪府東大阪市に関西1号店の高井田店が開店の予定。

 コロナのパンデミックが終わりつつある中、苦戦するスーパーも多い。しかし、オーケーの2023年3月期決算の売上高は、テナント売上を除き約5524億円(前年同期比5.5%増)と好調だった。銀座店に続いて、11月14日には東京都立川市の立川高島屋S.C.店がオープン。従来は高級スーパーが入っていた立地への出店が続いているが「それはたまたまのこと」と同社広報は話す。

399円のTHE鮭弁当
ローストビーフ重
マロニエゲート銀座2の1〜5階

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