庶民派・高級派で二極化? オーケー出店で「銀座の格が落ちた」と考えるのは早計なワケ長浜淳之介のトレンドアンテナ(4/5 ページ)

» 2023年11月30日 10時00分 公開
[長浜淳之介ITmedia]

ベルギー発の高級チョコブランドが初上陸

 低価格を武器にしたオーケーが好調の一方で、休日の銀座へ行くと、シャネルのような高級ブランドショップに行列ができている実情もある。コロナ前と同じく、銀座の持つ特別感を追求していく方向性も根強い。インバウンドも狙っているが、中国人の団体客がほとんどいないのが以前との違いといえる。

 9月16日には、三越銀座店に隣接する銀座アクトビル1階に、ベルギーの高級チョコレートブランドであるブノワ・ニアンの日本1号店がオープンした。05年にエンジニア出身のカカオ職人、ブノワ・ニアン氏が立ち上げたブランドだ。20年にはフランスのレストランガイド「ゴ・エ・ミヨ」にて、「ショコラティエ・オブ・ザ・イヤー」に選出されている。

ブノワ・ニワン、日本1号店の店内
ブノワ・ニアンの商品

 日本ではこれまで、ECやバレンタインデーの催事などでスポット的に販売してきた。ファン待望となる常設店の開設といえよう。同店のテープカットには、ニアン夫妻が来日。同店を展開する総合化学メーカー、カネカの菅原公一会長、駐日ベルギー大使のアントワン・エヴラー氏、ブノワ・ニアンの大のファンだというタレントの宇垣美里氏らが出席して、門出を祝った。

 カカオ職人のブノワ・ニアン氏は、シングルオリジンとクラフトマンシップにこだわり、一つのアイテムを単一の農園・単一の品種から製造する。しかも、小さなカカオ農園にまで足を運んで厳選し、フェアトレードで購入。チョコレート製造の全工程を自らの工房で完結させている。16年には、ペルーに自社農園を開設した。

シングルオリジンにこだわった、ブノワ・ニアンのチョコレート商品群

 銀座店の特徴は、地下1階に予約制のカフェを有することで、ブノワ・ニアンの店舗としても初の試みとなる。タブレット・ボンボン・日本限定の焼菓子など、40ほどのアイテムを販売している。中でもガナッシュサンドクッキーは、北海道産の発酵バターを使用したクッキーに、口どけの良いガナッシュをサンド(4個入りで2160円。価格は取材時または発表時のもので、変更されている可能性がある)。夕方には売り切れていることも多い。

地下の予約制カフェで、4000円超えのパフェが食べられる

 4378円のショコラパフェセットは、同店でしか食べられないプレミアムな商品で、週末は予約で埋まる日もある。1人で来店する30代以上の女性が多く、自分へのご褒美として活用されているようだ。

テープカットの風景。左から、エヴラー駐日ベルギー大使、菅原カネカ会長、宇垣美里氏、ニアン夫妻

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