コンサルの倒産が急増 企業の「公金依存」で選別進む

» 2023年12月08日 06時45分 公開

 コンサルタント会社の倒産が急増している。東京商工リサーチが調査結果を発表し、2023年1〜10月の倒産が116件に達したことが分かった。前年同期と比較して約1.5倍のペースであり、同期としては過去2番目の水準で推移している。最多だった09年(128件)を更新する勢いだ。

photo コンサル会社の倒産が急増している(提供:写真AC)

 過去数年の倒産件数は、20年1〜10月が96件、21年同期は73件。22年の同期は78件であり、23年に急増した。116件のうち、90件(77.5%)が「販売不振」によるものであり、また104件(89.6%)は負債1億円未満の小規模事業者だった。

 コロナ禍において中小・零細企業は、コンサル各社ではなく政府や自治体が用意した各種支援金への依存度を高めた。その結果、本来なら企業が苦境に直面し、受注が促進される時期に仕事が減少する皮肉な事態となった。

photo コンサルタント会社の倒産件数推移(出所:プレスリリース)

 コンサル業は創業時に多額の資金が不要で、資格も必須でないため参入障壁が低い。“玉石混交”ともいえる業界だが、最近は高い専門知識を生かして業績を伸ばすコンサル会社もある。東京商工リサーチは「コロナ禍を機にシビアな選別も進んでおり、助成金や補助金申請のアドバイスに注力するコンサル会社も少なくない。コンサル会社の熾烈(しれつ)な生き残り競争は、政策支援の動向にも左右されそうだ」と分析する。

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