そんなメグロブランドバイクが再び注目を集めたのはカワサキモータースが令和3年、約半世紀ぶりに復活させた「MEGURO(メグロ)K3」。これを機に市観光協会や市商工会が中心になり町おこしプロジェクトが動き出した。カワサキモータースからは、同市に「K3」のプロモーションで使用したビジュアル看板(高さ約2.8メートル、幅約4.5メートル)が寄贈され、市の中心部に設置。メグロ製バイクを愛するライダーらが集うイベント(メグロ・キャノンボール那須烏山)も開催されている。
レストアもプロジェクトの一環で企画されカワサキモータース本社で眠っていた「Z号」を3年でよみがえらせる。エンジンの打刻などから昭和24年製とみられ、烏山工場で生産していた時期と一致した。事業費は市商工会とカワサキモータースが負担する。
事業には市商工会工業部会の15社が参加。作業は市内でバイクのレストアやカスタムの専門店を営む沢村宣樹さん(40)を中心に進められている。1年目の今年はロボット設計製作会社の中村恵之社長(52)や金属加工会社の三森泰斗社長(39)らが協力。フレームの修正やペイントのほか、マフラーも復元され、今年11月に第3回を迎えた「メグロ・キャノンボール」会場で披露された。
フレームは、沢村さんが「メグロブラック」といわれた色やつやを写真などをもとに想像しながら独自の塗料を作ってペイント。マフラーは三森さんが本体部分を、中村さんがマフラー後部の部品を担当した。レストア用に借り受けた「Z号」には本来のものとは違うマフラーが取りつけられていたため、カワサキを通して探し「Z号」の後継モデル「Z2」のマフラーが見つかりレストアを開始。マフラーは傷みがひどかったが、3Dプリンターでスキャニングしてパソコン上でデータを修正するなど試行錯誤を続けながら完成させた。特に本体部分は三森さんが最新機器を使って1つの金属ブロックから0.8ミリの厚さまで削り出す加工方法で仕上げた。
copyright (c) Sankei Digital All rights reserved.
Special
PR注目記事ランキング