不動産広告には載っていない 「改札から改札」までの時間が面白いデータに隠された真実(3/3 ページ)

» 2024年01月04日 08時18分 公開
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 大阪や名古屋の様子も見てみましょう(図 5、6)。近畿圏ではJRと私鉄が並行しているところが多く、スピードや運転本数などのサービスレベルを上げることで競争力を高めてきました。大阪駅までの所要時間は三ノ宮駅(約31km)33分、京都駅(約43km)41分。首都圏の快速列車と比べると、距離あたりの移動時間が10〜20%短くなっています。

 中京圏でも名鉄とJR が高速運転を行っています。岐阜駅(約30km)と名古屋市営地下鉄・藤が丘駅(約14km)で所要時間がほぼ同じです。

参考(1):国土交通省『第13回大都市交通センサス』(2021年)

参考(2):図1〜6の背景に国土地理院『地理院地図 Vector(仮称)提供実験』のデータを使用

(※)中央値とは、データを小さい順に並べたときに真ん中にくる値のことです。例えば5人の利用者が品川駅から東京駅まで移動して、所要時間がそれぞれ13分、14分、15分、16分、92分だった場合(最後の人はエキナカにいたのでしょうか)、平均は150÷5=30分、中央値は15分となります。中央値のほうが実感に近いですよね。

この記事は、『ビジュアルでわかる日本』(にゃんこそば、宮路 秀作/SBクリエイティブ)に掲載された内容に、編集を加えて転載したものです。


プロフィール:

著者:にゃんこそば

たびたび地図をテーマにしたツイートをバズらせており、雑学的アプローチが得意。X(旧ツイッター)のアカウント

監修 宮路 秀作(みやじ しゅうさく)

代々木ゼミナール地理講師。日本地理学会企画専門委員会委員コラムニスト。Yahoo! ニュース個人オーサー。日本地理学会賞(社会貢献部門)受賞。主な著書は『経済は統計から学べ!』『経済は地理から学べ!』『目からウロコのなるほど地理講義』。 X(旧Twitter)のアカウント


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