駅のホームなどで「○○駅へ直通△△分!」というような不動産広告を見ると、いまここで電車を待っている時間は何なんだろう……と、ちょっと複雑な気持ちになります。
不動産広告には「電車に乗ってから降りるまでの時間」が記載されていますが、実際には「改札からホームへの移動時間」「電車の待ち時間」「降りてからの移動時間」がかかるので、どうしても不動産広告上の所要時間とは合わなくなるのです。
そこで今回は、交通系 IC カード(Suica、PASMO、ICOCA など)の利用履歴を使って、改札から改札までの「リアルな」所要時間マップをつくってみました。
まずは、東京駅、大手町駅までの所要時間を見てみましょう(図1)。この地図では東京駅と大手町、いずれか近い駅までの「改札→改札の所要時間」の中央値※を表しています。2021年12月某日(平日)10〜15時台に改札に入った人で絞り込んでいます。池袋駅、新宿駅、渋谷駅から東京駅までは 25〜27分です。この数字を覚えておくと、都内の移動が便利です。
注目したいのが、「東京ディズニーリゾート」の最寄り駅である舞浜駅。東京駅まで36分となっていますが、ひとつ先の新浦安駅(32分)より4分も長くなっています。どちらも快速が停まる駅なのに、なぜでしょうか?
その理由として考えられるのが利用者の行動の違いです。
東京ディズニーリゾートからの帰り道、東京駅でお土産を買ったり、友達と話し込んだり、あるいは次の予定に向けて、荷物や身だしなみを整えている人もいるかもしれません。理屈の上ではもっと短い時間で行けるはずですが、ひとりひとりのちょっとした寄り道が数字となって表れている……そう考えると、無機質なデータが少し、かわいらしく思えてきます。
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